筑波大学入学案内 2022
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実技理論・実習「野外運動(雪上)」授業風景実技理論・実習「臨海実習」気概と行動の教育者 嘉納先生は、柔道の創始者として世界中に知られていますが、本学の前身である高等師範学校、東京高等師範学校の校長を通算23年間も務め、多大な業績を残された教育者でもあります。また、先生はアジア初の国際オリンピック委員会委員であり、体育・スポーツの普及(大日本体育協会設立、運動部活動の普及、駅伝など)に力を尽くされ、驚くべきことに100年以上も前に8000人以上の中国人留学生を受け入れています。そして、嘉納先生は柔道を世界に紹介しながら、「精力善用・自他共栄」の理念を確立しました。「精力善用」は、各自の持つ、あるいは高めた力や能力を意味のあることに有効に活用することを説いたものです。「自他共栄」はだれもが助け合いながら共に生きていくことを意味します。このような多大な業績を残された嘉納先生はわれわれの誇りです。嘉納治五郎先生講道館柔道の創始者東京高等師範学校校長アジアで最初のIOC委員卒業生より一言「これまでの当たり前の感覚が覆された」 私が筑波大学での4年間を通し感じたことです。「プロフェッショナルの一員になれるように」 私が大学院での2年間を通し思い続けてきたことです。私の6年間は先生方や仲間たちに必死に食らいつく毎日でした。しかしそれがとても充実していて、幸福感に満ち溢れた時間でした。私は剣道で日本一になりたい。この思いを胸に進学しました。超一流の集団の中での稽古はもちろん、先生方や仲間たちとの会話一つ一つが私の中ではとても貴重なものでした。自分の剣道が変わっていくことを実感できた時はとても嬉しく、ますます剣道を追究していきたいと思うようになりました。この思いは現在も変わらず持ち続けています。 「子どもの行動そのものを見るのではなく、その背景を見つめてみよう」 教員になるという夢を抱いて大学に進学した私に先生がくれたこの言葉は、今でも私の心に生き続けています。「高校教員になる」という夢をかなえることができた今、生徒と共に過ごす毎日がとても幸せでかけがえのないものになっています。今の私の中には大学在学時に先生からいただいた言葉や、仲間と共に積み重ねた経験が支えとなっています。筑波大学体育専門学群はたくさんの可能性であふれている学生たちの背中を押してくれて、夢を現実のものとしてくれる場所です。「挑戦する」この気持ちを持ち続けることが今の私の原動力です。鈴木 瑞生栃木県教員平成27年度卒業平成29年度修了 私は現在、読売新聞社の事業局という部署で、スポーツや美術展など様々なイベントに携わっています。大学では、幅広く体育・スポーツの基礎を学び、3年生で「スポーツ哲学」という分野に出会い、当時問題となっていた体罰や野球賭博などについて、先生や仲間と議論しながら勉強しました。また野球部では、チームの勝利と選手の技術力向上を目指し、日々データ分析なども行っていました。当時を振り返ると、たまに学生の頃にタイムスリップしたくなることもあります。広いキャンパスで、トップアスリートや他学群の学生との交流もあり、様々な視点や立場から考えることを学んだように思います。自分の興味にとことん向き合う機会や時間があるのは大学生の特権だと思います。筑波大学は膨大な蔵書を誇る図書館を始め、じっくり学べる環境が整っており、もっと読んでおけばよかったと思うこともあります。「体育・スポーツを専門的に勉強し、将来スポーツに関わる仕事をしたい」という漠然とした想いが筑波大学で膨らみ、形になりました。是非、皆さんも筑波大学で充実した日々を送ってもらえたらと思います。高品 圭佑読売新聞社平成27年度卒業108

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