筑波大学入学案内 2022
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24Japan Expert(学士)プログラム日本語教師養成コースの学位記授与式卒業論文 卒業論文は、日本語・日本文化学類で学んだことを基礎に、学生自身がテーマを決めて研究を行うもので、いわば大学での学業の集大成というべきものです。図書館でたくさんの文献にあたったり、学外に出てデータを収集したり、集めたデータを分析したりと苦労も多いですが、それ以上に多くのものが得られます。研究を発展させるため大学院に進学する人もいます。最近の卒業論文から●岩手県中部方言地域におけるrasaru の使用●頭足類と日本人 ―日本におけるイカ・タコのイメージをさぐる―●宇都宮市における外国人児童生徒の高校進学および進路選択の支援のあり方 ―ロールモデルから見る支援の現状と課題―●星新一のSF ・ SS 作品の特徴●地域日本語支援における教会の役割―カトリックつくば教会の外国人青年交流会に着目して―●学習国語辞典におけるオノマトペ語彙の採録と記述の考察―図書類における児童の受容実態を中心に―●京都府舞鶴市における戦後引き揚げに関する研究●接尾辞「み」の変化について●日本人・非日本人の境界線 ―日本育ちの「ハーフ」を対象に―●日本語学習者の条件表現の使用における縦断的調査●聖地巡礼による地域活性化の可能性 ―茨城県結城市御手杵の槍の事例から―卒業論文 卒業論文は、日本語・日本文化学類で学んだことを基礎に、学生自身がテーマを決めて研究を行うもので、いわば大学での学業の集大成というべきものです。図書館でたくさんの文献にあたったり、学外に出てデータを収集したり、集めたデータを分析したりと苦労も多いですが、それ以上に多くのものが得られます。研究を発展させるため大学院に進学する人もいます。最近の卒業論文から●●●●●●●●●●●留学生パーティでたこやき作り国内フィールド実習―愛知県豊田市足助町―「~がち」の用法の拡大に関する研究「させていただく」表現についてポライトネスからの考察比喩でつながる「NP1+NP2」―「NP1+の+NP2」との比較を通して―方言形と標準語形のスタイルシフト―愛媛県方言話者を例に―日本語における第二言語熟達度測定テストに関する研究聖地巡礼による地域活性化の可能性―茨城県結城市御手杵の槍の事例から―『和漢朗詠集』にみられる平安朝の漢詩の受容メタ表示と語構成―現代日本語の「感」を中心に―平和博物館の利用促進に関する考察―若者の平和意識をもとにして―日本語指導が必要な児童生徒に対する支援のあり方留学生の依頼メールに対して日本人学生が抱く印象スロベニアでの教育実習を通じて 藤野真帆留学体験記 私は今、日本語教育インターンシッププログラムでスロベニアのリュブリャーナ大学に留学しています。今学期はTAとして、日本研究学科2年生のクラスと一般向け公開講座2クラスに参加しました。授業内で取り組んだ主なことは、発音・イントネーションの指導補助や、授業の一部の時間を頂いての日本社会・文化・習慣と言葉の紹介です。 TAとして参加したクラスの学生とは、カフェや食事に行ったり、学生として授業を履修したりしました。ことばには全く自信がないため、いつも周りの友人に助けられながら生活しています。日日でもチューターとして活動をしていましたが、支援される側を経験したことで、その存在のありがたさを実感すると共にそれまでとは違う視点から考えられるようになりました。 このように日本語教師としての経験を積みながら同時に学習者として生活できることが、この留学プログラムの魅力だと思います。残りの留学期間、日本語教壇実習だけではなく、スロベニアの言語文化にもたくさん触れて、発見の多い時間にしていきたいです。海外留学など 日本語や日本文化を客観的にながめる目を育て、世界に発信する力を育成するために、日本語・日本文化学類では海外留学を積極的に勧めています。学類と交流協定を結んでいる大学への留学の場合、単位互換、授業料免除、奨学金受給などのメリットがあります。現在、筑波大学は、69ヵ国・地域の大学や研究機関とCiC10協定、大学間交流170協定、部局間交流209協定、合計389協定を結んでいます。(2021.05.01現在)協定校一覧(一部)中国:北京大学、湖南大学、大連大学、台湾:国立政治大学、韓国:韓国外国語大学校、啓明大学校、高麗大学校、梨花女子大学校、英国:エディンバラ大学、イタリア:カ・フォスカリ大学、スペイン:サラマンカ大学、スロヴェニア:リュブリャーナ大学、エストニア:タリン大学、ロシア:モスクワ市立大学、サンクトペテルブルク大学などチューター体験記 4年生の最後に、卒業前に大学生らしいことに取り組みたいと感じ、チューターに挑戦しました。 新型コロナウイルス感染拡大により来日が延期となり、仕事はオンライン授業サポートから始まりました。 週一度、ビデオ通話でお互いの国や大学の話、来日後にやってみたいことなど、他愛もない会話をするうちに、役に立ちたい気持ちが強くなっていったのを覚えています。2か月後に日研生の来日が叶い、口座開設や大学案内などの支援をしました。 対面のチューター業務が始まる前は、必要以上に気負っていましたが、任期を終えた現在は「基本的に日研生の主体性に任せ、彼らが助けを必要とした時のみ支援する」のが良いのかなと感じています。大変な時に来日して頑張っている日研生の存在は、私にとっても励みになりました。また、日研生の質問や相談には自分の知識で解決できないものもあり、その都度調べて答えたので、私自身とても勉強になりました。留学経験も無く、外国人の友人もいなかった私にとっては、とても得るものが多かったです。チューター経験を通して得られる発見や学びは、どのような進路の方にとっても糧になると思います。元谷真綾&ギトマー・ゴーヴィンディ(スリランカ・日研生)

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