筑波大学入学案内 2022
38/174

海外での勉学チャンス海外留学タイの学校での日本語補助教員実習 教育学類のコア科目の一つ、「国際教育協力実習」では、約3ヶ月間タイにホームステイしながら、カセサート大学附属学校またはコンケーン大学で日本語補助教員としての実習を行います。旅費は自己負担ですが、毎年、数名の学生が海外の学校での教育実習の貴重な体験をしています。教育学類での学び教育学の総合性と4つの系列 教育学類では、教育学の総合性に対応した4つの系列を設けています。すなわち、「人間形成系列」「学校教育開発系列」「教育計画・設計系列」「地域・国際教育系列」です。 学生はこれらすべての系列に関する科目を履修しますが、将来の目的に合わせて特に関心のある系列を1つ選び、 その系列に含まれる授業を集中的に学ぶことになります。そこで学んだ知識・技能を活かして、4年次に卒業研究をまとめていくことになります。 ただし、教育学類では、学生に各系列に「所属すること」 を求めていません。その理由は、1つの系列のみの知識・技能を習得することよりも、教育学に関する知識・技能を全般的に学ぶことの方が、教育に関連した優秀な理論家・実践家となるのに有効であると考えているからです。 なお、初等教育学コースは、「学校教育開発系列」の一部として組み込まれています。 「教育学を学びたい」と考えている皆さんにとって、筑波大学人間学群教育学類は、日本で最も恵まれた環境にあるといっても過言ではありません。教育学類では、教育に関する様々な分野の先生による講義を受けることが可能です。また、教育に関する様々な関心を持つ仲間たちと共に学ぶことが可能です。 教育学というと、学校の先生になるための学問と思われるかもしれません。それは間違いとはいえませんが、実はもっと幅が広く、奥が深い学問です。例えば、日本及び外国における教育の歴史、各教科の教育的意義、学校における教育課程、指導における方法と評価、学校教育の制度、学校の運営、成人の学習、諸外国の教育など、これらはすべて教育学類で学ぶことができる内容です。このように教育学には、多種多様な研究分野が存在しますが、教育学類では、各分野の第一線で活躍されている先生から指導をいただくことができます。 私は、教育学類に入学して、教育という営みに対する自分の認識の狭さを痛感しました。けれども、先生方や仲間達と出会えたことで、入学前では気づくことのなかった、教育学の魅力に気づくことができました。そして、私は現在、大学院に進学し、教育学の研究を続けています。ぜひ私達と共に教育学を研究し、充実した4年間を過ごしてみませんか。教育学の「再発見」をしてみませんか?香川 圭「教育学の総本山」で、一緒に教育学を研究しませんか平成26年度教育学類卒業 (筑波大学大学院人間総合科学研究科院生)村田 翔吾卒業生からのメッセージ 教育学類の学生は、人間学群が交流協定を結んでいる海外の大学への交換留学に応募することができます。協定校に留学すると、❶留学先での習得単位が教育学類の単位として認定される、❷筑波大学への授業料を納入すれば、留学先の授業料は納入不要、というメリットがあります。現在、協定校は、カリフォルニア大学やベルリン自由大学などの大学間(全学)協定校をはじめ、国立台湾大学や南インディアナ大学などの部局間(人間学群)協定校です。令和元年度教育学類卒業(教育学学位プログラム教育基礎科学サブプログラム院生) 私は筑波大学の人間総合科学研究群(教育学)に進学し、現在は大学院生として教育哲学領域の研究を進めています。教育哲学とは、字義どおり、社会のなかで起きている教育現象あるいは教育的現実についての哲学的考察を主立った特徴とする学問です。このように堅苦しく書くと「なにか難しいことをしているな」と感じると思います。しかし、たとえば「学校ってなんで行かなきゃいけないのだろう」「ニュースで見たけど、あの教育って本当に良いことなの?」のような、誰しもが一度は抱えたことのある、そうした疑問のなかに教育哲学的な営みが潜んでいるのだと思います。そして、そのような視点を教えてくれたのが教育学類での学びでした。 赤裸々に言ってしまえば、私の教育学類への志望動機には強い熱意はなく、なんとなく入学しました。「教育なんてあって当然のものだ」「いまさら何を研究しろと」くらいの思考さえ心の片隅に秘めているほどでした。しかし、教育学の多彩な分野に精通している先生方に出会い、むしろ自明視されてきた教育システムだからこそ、それを問いなおすことに研究の可能性が拡がっていることを学びました。教育の“当たり前”を疑う。これは勇気がいることです。しかし同時にワクワクもしませんか? 教育学類での学びは常に「再発見」の連続です。皆さんもぜひ楽しいキャンパスライフと一緒に、色々な「再発見」を実感してみてください!36

元のページ  ../index.html#38

このブックを見る