筑波大学入学案内 2022
50/174

 筑波大学を志望した理由は、緑豊かで生物の多いキャンパスであることと、教職課程が充実していることでした。今振り返って見ても、当時のこの判断は正解でした。 毎日、ヒキガエルの鳴く池の脇を抜けてキャンパスへ通いました。生理学の実験は、まず解剖する為のミミズを採集することから始まりました。土の中でくねっていたミミズから、教科書にある記述が再現されるのが、面白く不思議でした。卒業研究も、ウニの採集から始まりました。発生させた多くの命を犠牲にデータを得てゆく、生物学の過程を知りました。また、学生生活では生物を愛する奇矯な友人達に恵まれました。学内で採集したキノコや木の実を調理して食べたのも、決して勧めませんが、とても楽しいものでした。振り返ると、学生生活はプライベートまでみっちりと生物で満ちていましおいでよ せいぶつの森遠藤 愛多様な生物学分野 応用生物化学・農林学・医学・体育学を専門とする教員も授業を担当しており、農学や医学との境界領域など、幅広い生物学分野を学べます。早期卒業制度 3年間以上在学すれば、希望によって早期に卒業できる制度があります。もちろん卒業に必要な規定単位数を優秀な成績で取得していることが前提です。1年次からしっかり学習計画を立てて勉学に励むことが求められます。研究マインド応援プログラム 学習・研究に対する意欲と能力により選ばれた1~3年生は、教員と大学院生のサポートのもと、希望する研究室で独自の研究テーマを追究できます。国際交流 生物学類では国際交流委員会を組織し、学類レベルでの国際交流を推進しています。特に1999年に国際的にも著名な英国のマンチェスター大学生物科学部と学部間交換学生協定を結び、毎年3名の学類生を1年間マンチェスター大学に派遣し、またマンチェスター大学からの留学生を受け入れています。2013年にはフランスのパリ第13大学とも協定を結び、学生交流を始めました。この留学制度には、大学の入学金と授業料が免除される、大学の学生寮に居住できる、単位措置によって休学の必要がない、などの様々な特典があります。また米国のカリフォルニア大学、パデュー大学など、筑波大学が大学間交流協定を結んでいる多くの大学への留学を奨励するとともに、積極的な支援を行っています。基礎生物学実験生態学実習で木登りに挑戦生物学類発行のオンラインジャーナル(https://www.biol.tsukuba.ac.jp/tjb)教員や先輩からのメッセージ、研究紹介などが掲載されています。た。 一方で、教員免許取得を目指す友人達と学んだ、教職課程も充実した日々でした。ハードな時間割でしたが、地球学や教育学など、一味違う学問を学べました。生物学類でインプットを深めつつ、教職ではアウトプットを議論できたのは貴重な経験でした。筑波大学は東京師範学校を前身とするため、付属校での教育実習などサポートが充実しています。本気で教員を目指す人にとっても、納得のいく教職課程を過ごせるはずです。 私は教員志望で入学しましたが、本当にやりたいことは多くの人に科学の楽しさを伝えることだと就活を前に気づきました。そうして現在は出版社で科学教材の編集に携わっています。仕事では科学の魅力を、どうパッケージすれば人々に届けられるかを日々考えています。生物や教職の知識はもちろん、何よりも自分自身が科学の楽しさを体験して知っている、ということが力になっています。そういう意味では、つくばでの生物で満ちた日々が仕事の原点と言えます。 皆さんが、生物でみっちりと満ちた日々を楽しんでいただけることを願っています。48

元のページ  ../index.html#50

このブックを見る