筑波大学入学案内 2022
61/174

ー、確率論、関数解析、複素解析、数理論理学、数理統計学、計算機数学などで、学生諸君はこれらを学ぶことにより、純粋数学のみならず情報数学を含む数理科学についても視野が広がるように配慮されています。 4年次には、卒業研究を受講することになります。卒業研究ではセミナーが用意され、学生はそれぞれの研究分野への関心に応じて、幾つかのグループに分かれます。セミナーでは、それぞれの専門分野の数学について、研究発表をしたり指導教員と議論を交えたりします。講義とはまた違った充実感を味わえるものと思います。卒業研究発表会は日頃の成果を示す恰好の場になります。専門として学べる内容 数学類では各種の講義や演習とともに、2年次から4年次まで、数学外書輪講、少人数で行う卒業研究等のセミナーが設けられています。学生自らが学習成果を発表し、教員のきめ細かな指導のもとで、個々の能力が伸ばせ、そして数学的思考能力が身につきます。また情報数学にも配慮されたカリキュラムが用意されています。教職(数学、情報)の免許取得も可能です。 1、2年に学ぶ数学は、3、4年次に学ぶ数学に向けてのウォーミングアップにあたります。1年次の数学の科目は専門科目でなく、専門のための専門基礎科目にあたります。微分積分学、線形代数学、集合論は、いずれも数学のどの分野においても基本的かつ必須なものです。また、2年次には、代数、トポロジー、ベクトル解析と幾何、微分方程式、関数論、統計等の入門的授業が始まります。 3年次の数学は、現代数学の第1ページというべきもので、内容は大きく分けると、代数学、幾何学、解析学、情報数学です。また、秋学期には、卒業研究の準備として卒業予備研究が始まります。授業や演習に出席するだけでなく自ら専門書を読むなどしてそれぞれが興味を見出し、より理解を深めます。この卒業予備研究を通して数学を学ぶ楽しさと数学の奥深さを実感できるものと思います。 3、4年次の数学には、次のような専門的授業があります。ガロア理論、リー代数、環論、微分幾何学、トポロジ特 長 純粋数学を学べるだけでなく、情報数学を含む数理科学についても広く学ぶことができるので、専門性を深めることと同時に、数理科学的視野を身につけることができます。数学類ホームページ●大田 祐治2021年3月 数学類卒業松山 幸平2019年3月 数学類卒業https://nc.math.tsukuba.ac.jp/pp/ でパンフレットのPDFファイルを見ることができます。パンフレットに載せきれなかった情報も掲載してあります。 数学は、多くの学問の基礎となり得る学問です。数学類では講義を中心に、しっかりと数学への理解を深めることができます。講義でわからなかった所は、40人という少ない学類の同期と教えあいながら考えることができます。それでも分からなかった時には、演習の時間や数学手習い塾と呼ばれる場で先生方や大学院の先輩方に質問をすることができます。このように、相互の教え合いや質問ができる環境が整っているので、私は一つずつ自分の中で消化しながら学ぶことができました。 筑波大学には、先にあげた数学だけでなく、多種多様な分野の講義を同じキャンパス内で受講することができるという特徴があります。数学類では卒業するための講義はほとんど決まっていましたが、それに加えて様々な分野の講義を私は受講しました。それにより数学類で勉強した内容を他分野で具体的に、どのように活用にしているのかということに学びを得ました。学業以外では学園祭や年に2回のスポーツ・デーなどの行事があります。そこでは学生団体や学類の同期、研究室など様々な繋がりで行事を楽しむことができます。一つのキャンパスに多くの学生がいるので、新たな交流や大規模な運営にも携わることができ、実際に私は県人会という100人を超える団体の会長を務める機会がありました。そこでは、高校と異なり先生や学校のようなさらに上の立場の方々がいません。そのため、自分達でやるべきことを考えて実行しなければならないという経験をしました。 筑波大学では自分がやりたいことは自分から行動に移せば、ほとんど実現可能だと思います。そのような筑波大学で、皆さんがよりよい数学ライフを送れることを願っています。 私が数学類を受験したのは、進路選びの一環で大学の教科書等を眺めて興味を持ったからです。入学して大学数学の魅力に触れ、感動しました。学友にも恵まれ、勉強会を開いたり、食卓を囲みながら数学の議論をするなど充実した毎日でした。これは大学周辺に学生が多い、筑波ならではの魅力だと思います。また先生と学生の距離も近く、サポートも手厚かったです。例えば演習授業では学生20人に対し先生に加え大学院生の補助もあり、更に「数学手習い塾」では先生や先輩に学習での悩みを気軽に相談できました。そんな頼りになる先輩や指導教官の下で日々を過ごし、本格的に将来を考えつつ大学院に進学しました。悩み苦しんだ末、知的好奇心と同じく人の役に立つことも大切だと考えるようになり、国全体の為に必要なことを考える国家公務員に魅力を感じ行政の道に進むことを決意しました。技術職のように特定の分野の専門家ではなく、様々な分野に関わる行政職に就くため、数学ではなく経済学で試験を受けました。経済学の独学は大変でしたが、色々な数学書を能動的に読んだ経験が役に立ちました。数学の内容自体でなくとも、数学の考え方や研究の姿勢そのものが役立つことを痛切に感じました。幸いにも内定をいただき、四月から総務省で働くことになりました。しかしそれに打ち込めたのも、指導教官や学友の温かい応援と協力があってのことでした。今は修士論文も落ち着き一息つくとともに、新生活の準備を進めているところです。皆さんも大学生活という貴重な四年間、ぜひ数学類で学んでみてはいかがでしょうか。59School of Physical Education, Health and Sport SciencesSchool of Medicine and Health Sciencesー、確率論、関数解析、複素解析、数理論理学、数理統計学、計算機数学などで、学生諸君はこれらを学ぶことにより、純粋数学のみならず情報数学を含む数理科学についても視野が広がるように配慮されています。 4年次には、卒業研究を受講することになります。卒業研究ではセミナーが用意され、学生はそれぞれの研究分野への関心に応じて、幾つかのグループに分かれます。セミナーでは、それぞれの専門分野の数学について、研究発表をしたり指導教員と議論を交えたりします。講義とはまた違った充実感を味わえるものと思います。卒業研究発表会は日頃の成果を示す恰好の場になります。専門として学べる内容 数学類では各種の講義や演習とともに、2年次から4年次まで、数学外書輪講、少人数で行う卒業研究等のセミナーが設けられています。学生自らが学習成果を発表し、教員のきめ細かな指導のもとで、個々の能力が伸ばせ、そして数学的思考能力が身につきます。また情報数学にも配慮されたカリキュラムが用意されています。教職(数学、情報)の免許取得も可能です。 1、2年に学ぶ数学は、3、4年次に学ぶ数学に向けてのウォームアップにあたります。1年次の数学の科目は専門科目でなく、専門のための専門基礎科目にあたります。微分積分学、線形代数学、集合論は、いずれも数学のどの分野においても基本的かつ必須なものです。また、2年次には、代数、トポロジー、ベクトル解析と幾何、微分方程式、関数論、統計等の入門的授業が始まります。 3年次の数学は、現代数学の第1ページというべきもので、内容は大きく分けると、代数学、幾何学、解析学、情報数学です。また、後期には、卒業研究の準備として卒業予備研究が始まります。授業や演習に出席するだけでなく自ら専門書を読むなどしてそれぞれが興味を見出し、より理解を深めます。この卒業予備研究を通して数学を学ぶ楽しさと数学の奥深さを実感できるものと思います。 3、4年次の数学には、次のような専門的授業があります。ガロア理論、リー代数、環論、微分幾何学、トポロジ特 長 純粋数学を学べるだけでなく、情報数学を含む数理科学についても広く学ぶことができるので、専門性を深めることと同時に、数理科学的視野を身につけることができます。数学類ホームページ●薛 文磊2020年3月 数学類卒業松山 幸平2019年3月 数学類卒業http://nc.math.tsukuba.ac.jp/pp/ でパンフレットのPDFファイルを見ることができます。パンフレットに載せきれなかった情報も掲載してあります。「数学類に入るとどんな生活が待っているのだろう?」と思う人は少なくないと思います。 数学類は他の学類と比べて少人数授業が特徴で、講義の他に演習の時間が設けられており、2つのクラスに分かれて指導を受けることができます。これにより、講義内容がよりわかりやすく、気軽に先生に質問することができます。演習以外では一つのクラスとして、授業やスポーツディなどにも参加します。ですので、演習のメンバーだけではなく、学類のメンバー全員と仲良くすることもできます。僕は、同じ分野を勉強したい同志を見つけることが出来ました。また授業の他に、友達同士で集まり、興味のある分野の輪読や、試験前のテスト勉強をしたこともいい思い出です。 筑波大学では課外活動も盛んです。僕の同級生も八割近くの人が課外活動団体に所属していました。また、年に一度の学園祭には僕も有志で参加し、コーヒーハウスを出店していました。このように、勉強以外の時間でも、きっと自分に最もふさわしい活動を見つける事ができると思います。そして、個人的に一番好きな所は、恵まれた自然環境です。青い空、綺麗な噴水、少し遠くにある筑波山、それと木々に囲まれた緑豊かなキャンパス。疲れた時や、何かが上手くいかなかった時、身の回りの風景を見ると、元気をチャージしてくれる気がします。 数学の勉強をしながら、自然豊かな環境で人生の中でも最も大切な青春を過ごす事はきっと後悔しないだろうと思います。熱心に指導してくださる先生方と先輩達、同じ目標と趣味を持つクラスメイトが皆さんをお待ちしています。 皆さんは、どのような理由で数学類に関心があるでしょうか。数学への興味、あるいは就職、そもそも興味のあることを探している途中かもしれません。僕は、進路を決めるとき、大学でやっていることの雰囲気だけでも知りたくて、高木貞治「解析概論」の実数の構成や、ファインマン物理学、大学院の入試問題等を眺めていました。ちゃんと理解できたわけではなかったけれど、大学の数学は面白そうだと思い、数学類を受験することに決めました。そして実際に勉強してみて、大学数学の魅力に触れ、感動しました。講義の合間に友達と集まって問題を解いたり、勉強会を開いたりするなど、充実した大学生活を送れたと思います。図書館が夜の12時まで開いており書籍も非常に充実しているので、図書館で本を探す、あるいは読書や勉強をしたりして、夜風に当たりながら家に帰るのも良いものです。また、皆で一緒に大学の近くの飲食店で夕飯を食べながら数学の課題などを議論するのも楽しいです。これらは、大学周辺に一人暮らしをしている学生が多い筑波大学ならではの魅力だと思います。さらに、数学類の先生方の指導がとても丁寧だということも、大学生活を有意義にしてくれていると思います。例えば1,2年次は講義の他に演習授業が設けられており、実際に問題を解きながら講義の理解を深めることができます。また、「数学手習い塾」というものがあり、大学院生に講義や演習の内容を質問できたり、数学の勉強方法などの相談にも乗ってくれたりもします。 僕は、このような環境で数学を学べてとても良かったと思っています。そして今は、頼りになる先輩方や指導教官の指導のもと、大学院での充実した毎日を過ごしています。皆さんも大学生活という貴重な四年間、ぜひ数学類で学んでみてはいかがでしょうか。

元のページ  ../index.html#61

このブックを見る