筑波大学入学案内 2023
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 問題設定能力や課題解決能力など、これからの時代にますます求められる主体的な知性を育てることができるのが、この卒論作成のプロセスです。 学類の丁寧なガイダンスおよび主指導教員と副指導教員の指導・助言によって、あなたも、個性的でありながら水準の高い自分だけの論文を仕上げることが可能です。4年次執筆する構成する●現代韓国文学作品における女性と労働 ―2010年代の韓国女性作家作品をめぐって―●ディズニープリンセスの誕生と日本における受容●宝塚歌劇における「黒塗り」の所在●現代ヨーロッパのNeopaganism ―Faunと“中世市場”を中心に―●柳宗悦と現代工業製品論~用の美学への接続とその変容~● Twitterにおける医療系クラスターと 反ワクチン支持者のネットワーク比較●新宗教における信仰の育成と継承 ―真如苑に焦点を当てて―●記紀からみる古代王朝と淡路島の関係 ―国生み神話で与えられた「地位」の意味を探る―1~2年次テーマを探すテーマを膨らませるHeterosexism and LGBT IssuesOver the Vietnam War: My Lai Massacre2~3年次3~4年次テーマを絞りこみ完成審査・発表会● The Influence of Media Coverage on Public Opinion ●筑波山神社における信仰の変容と維持●イスラーム理解の場としての東京モスク●常磐炭田産業遺産の保存・活用における現状と課題 ―ヘリテージツーリズムに着目して―●公衆トイレの空間の変遷と利用者の認識の変化令和3年度に提出された主な卒業論文の題目●夏目漱石『永日小品』研究―同時代の心理学を視座として―●水戸市浜田町から見る蛙の表象と地域社会● Japanese Views of Men and Women: 24卒業論文 比文らしく、自分らしく 本学類での学修の最大の焦点が卒業論文の作成です。 いわば入学した時点から、あなたの卒論に向けての作業が始まっています。自分の関心に応じて履修科目を選ぶことがその第一歩。さまざまな授業を通じて専門知識や研究スキルを獲得しながら、自分なりの問題意識を深めていってください。授業と卒論制作上原のの子(2019年卒業)(表現文化領域、文化創造論コース)文化創造論コースの授業では、芸術作品を実際に鑑賞し、分析する方法を学びました。扱うジャンルは絵画、写真、映画、音楽、漫画など様々で、研究の自由度が高いのがこのコースの魅力だと思います。私は卒業論文で、ヘンリー・ダーガーというアメリカの作家を取り上げました。彼の作品には、大人の男性を相手に戦う少女たちが登場します。この「戦う少女」というアイディアはどこから来たのか、ダーガーの創作に影響を与えた物から考察しました。具体的には、アメリカの歴史、文学、宗教などで、これらは他のコースの授業で学んだことも役に立ちました。比文での学修を終えて劉 承衛(2022年卒業)(日本・アジア領域 アジア研究コース)台湾出身の私は、胡適という知識人をテーマに卒業論文を書きました。今は学者を目指して、大学院で近現代中国と戦後台湾の知識人及び思想について研究する予定です。歴史認識における立場と視角の重要性を感じたため、私は高校のときから外国で自国の歴史を学ぼうと考えていました。入学後は政治、社会、民俗、宗教、文化理論などの勉強もしてきました。比較文化学類には様々なコースがありますが、これらのコースは全て「人文社会学」という学問体系にあり、互いに強い関連性を持っています。専攻以外の授業で得た知識も思考の材料になるので、好奇心と探究心を忘れずに学んでほしいと、これから比文に入学する皆さんに伝えたいです。

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