筑波大学入学案内 2023
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タイの学校での日本語補助教員実習 教育学類のコア科目の一つ、「国際教育協力実習」では、約3ヶ月間タイにホームステイしながら、カセサート大学附属学校またはコンケーン大学で日本語補助教員としての実習を行います。旅費は自己負担ですが、毎年、数名の学生が海外の学校での教育実習の貴重な体験をしています。香川 圭 私は筑波大学大学院教育学学位プログラムに進学し、現在は大学院生として教育哲学領域の研究を進めています。教育哲学とは、字義どおり、社会のなかで起きている教育現象あるいは教育的現実についての哲学的考察を主立った特徴とする学問です。このように堅苦しく書くと「なにか難しいことをしているな」と感じると思います。しかし、たとえば「学校ってなんで行かなきゃいけないのだろう」「ニュースで見たけど、あの教育って本当に良いことなの?」のような、誰しもが一度は抱えたことのある、そうした疑問のなかに教育哲学的な営みが潜んでいるのだと思います。そして、そのような視点を教えてくれたのが教育学類での学びでした。 赤裸々に言ってしまえば、私の教育学類への志望動機には強い熱意はなく、なんとなく入学しました。「教育なんてあって当然のものだ」「いまさら何を研究しろと」くらいの思考さえ心の片隅に秘めているほどでした。しかし、教育学の多彩な分野に精通している先生方に出会い、むしろ自明視されてきた教育システムだからこそ、それを問いなおすことに研究の可能性が拡がっていることを学びました。教育の“当たり前”を疑う。これは勇気がいることです。しかし同時にワクワクもしませんか? 教育学類での学びは常に「再発見」の連続です。皆さんもぜひ楽しいキャンパスライフと一緒に、色々な「再発見」を実感してみてください!教育学の「再発見」をしてみませんか?令和元年度教育学類卒業(教育学学位プログラム教育基礎科学サブプログラム院生)「教育の総本山」で“未来”について考えてみませんか?令和2年度教育学類卒業(教育学学位プログラム次世代学校教育創成サブプログラム院生)貴志 光加里 教育学類で過ごした日々は、“教育のみならず日本や世界の未来について考える時間”だったと思います。教育学類に入学したきっかけは、誤解を恐れずに言うならば、教育の総本山と言われる筑波ならば、“学校が苦手”だった私でも学校教育の意味や必要性が分かるのではないかと考えたからです。「なぜ学校に通うのか」「『学校』ってそもそも何なのか」「なぜ教科書を使うのか」「学習内容はどうやって決まるのか」「『先生』ってなんだろう」等、学校教育における疑問を多く持っていました。教育学類に入学した私は、学類での学びを通して、学校教育や自分自身が持っていた疑問への納得できる答えや考えるためのヒントを見出すことができました。教育を学ぶ中で特に興味深いと感じたことは、教育について考えることが“未来”を考えることに繋がるという点です。これから私たちが向かっていく未来、実現したい世界において教育にできること、必要なことは何か。未来に向かって無限に広がっている“答えのない”教育の姿について考えることの面白さと難しさを感じました。このように感じたことが、大学院に進学して教育について研究し続けている理由でもあります。 このように教育学類での学びや過ごした時間が、現在の私に繋がっています。この教育学類での“学び”は、ただ単にカリキュラムや教授の方々からのご指導だけで成され得たものではありませんでした。同じ教育を志す仲間、さらには附属学校をはじめとする現場の先生方との議論、交流を通してなされたものです。教育の総本山である筑波の教育は、その歴史と伝統を基盤に、カリキュラムや先生方、そしてそこに参画してくださる方々や志の高い仲間によって、常に更新され進化を続けています。 みなさんもぜひ、“学ぶ”ことの意味、そして日本や世界の未来について“筑波の教育”で一緒に考えてみませんか?40海外での勉学チャンス海外留学 教育学類の学生は、人間学群が交流協定を結んでいる海外の大学への交換留学に応募することができます。協定校に留学すると、❶留学先での修得単位が教育学類の単位として認定される、❷筑波大学への授業料を納入すれば、留学先の授業料は納入不要、というメリットがあります。現在、協定校は、カリフォルニア大学やベルリン自由大学などの大学間(全学)協定校をはじめ、国立台湾大学や南インディアナ大学などの部局間(人間学群)協定校です。教育学類での学び教育学の総合性と4つの系列 教育学類では、教育学の総合性に対応した4つの系列を設けています。すなわち、「人間形成系列」「学校教育開発系列」「教育計画・設計系列」「地域・国際教育系列」です。 学生はこれらすべての系列に関する科目を履修しますが、将来の目的に合わせて特に関心のある系列を1つ選び、 その系列に含まれる授業を集中的に学ぶことになります。そこで学んだ知識・技能を活かして、4年次に卒業研究をまとめていくことになります。  ただし、教育学類では、学生に各系列に所属することを求めていません。その理由は、1つの系列のみの知識・技能を習得することよりも、教育学に関する知識・技能を全般的に学ぶことの方が、教育に関連した優秀な理論家・実践家となるのに有効であると考えているからです。 なお、初等教育学コースは、「学校教育開発系列」の一部として組み込まれています。卒業生からのメッセージ

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