問題設定能力や課題解決能力など、これからの時代にますます求められる主体的な知性を育てることができるのが、この卒論作成のプロセスです。 学類の丁寧なガイダンスおよび主指導教員と副指導教員の指導・助言によって、あなたも、個性的でありながら水準の高い自分だけの論文を仕上げることが可能です。4年次執筆する構成する●郷土料理「しもつかれ」における新たな価値の創造とその可能性●「アウトサイダー」としての障碍者●女子スポーツマンガにおけるジェンダー表象●ジャズ・バンド再考●オンライン同人誌即売会を巡るコミュニケーション●マドレーヌ・ヴィオネと女性の身体●文化拠点としてのミニシアター●現代社会におけるパフォーマンスの意味●マンガにおける共感●観客の消費行動から見る4DX上映の特異性●英語教育を例に挙げたアクティブラーニングの考察●遺骨と「手元供養」についての研究301~2年次テーマを探すテーマを膨らませる2~3年次3~4年次テーマを絞りこみ完成審査・発表会令和4年度に提出された主な卒業論文の題目●『竹取物語』と再話作品にみるかぐや姫の諸相●牧野信一「鏡地獄」論●現代韓国チュソク節と若者の意識に関する研究●Christina Rossetti's Sing-Song●19世紀におけるパリ・オペラ座の社会的役割の変化●日系アメリカ人と第二次世界大戦●カタルーニャ・ナショナリズムとFCバルセロナ●和菓子がつなぐ人と人●キャベツ農家の日常生活とつながり●佐渡市立図書館再編計画をめぐる市民運動●再開発による水戸市中心市街地の機能集中卒業論文 比文らしく、自分らしく 本学類での学修の最大の焦点が卒業論文の作成です。 いわば入学した時点から、あなたの卒論に向けての作業が始まっています。自分の関心に応じて履修科目を選ぶことがその第一歩。さまざまな授業を通じて専門知識や研究スキルを獲得しながら、自分なりの問題意識を深めていってください。授業と卒論制作上原のの子(2019年卒業)(表現文化領域、文化創造論コース)文化創造論コースの授業では、芸術作品を実際に鑑賞し、分析する方法を学びました。扱うジャンルは絵画、写真、映画、音楽、漫画など様々で、研究の自由度が高いのがこのコースの魅力だと思います。私は卒業論文で、ヘンリー・ダーガーというアメリカの作家を取り上げました。彼の作品には、大人の男性を相手に戦う少女たちが登場します。この「戦う少女」というアイディアはどこから来たのか、ダーガーの創作に影響を与えた物から考察しました。具体的には、アメリカの歴史、文学、宗教などで、これらは他のコースの授業で学んだことも役に立ちました。比文での学修を終えて劉 承衛(2022年卒業)(日本・アジア領域 アジア研究コース)台湾出身の私は、胡適という知識人をテーマに卒業論文を書きました。今は学者を目指して、大学院で近現代中国と戦後台湾の知識人及び思想について研究する予定です。歴史認識における立場と視角の重要性を感じたため、私は高校のときから外国で自国の歴史を学ぼうと考えていました。入学後は政治、社会、民俗、宗教、文化理論などの勉強もしてきました。比較文化学類には様々なコースがありますが、これらのコースは全て「人文社会学」という学問体系にあり、互いに強い関連性を持っています。専攻以外の授業で得た知識も思考の材料になるので、好奇心と探究心を忘れずに学んでほしいと、これから比文に入学する皆さんに伝えたいです。
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