建学の理念筑波大学長 永田恭介 我々はグローバル化という大きな潮流の中にいます。2019年に発見された新型コロナウイルス感染症の全世界への拡がりで、それを実感させられました。筑波大学は、これまでIMAGINE THE FUTURE. のロゴのもと、知の創造とグローバル社会で国際的に活躍できる豊かな人間性を備えた人材を育成することを目標としてきました。 本学の教育宣言である筑波スタンダードに基づく質の高い教育により、皆さんにコミュニケーション能力や論理的思考能力が身に付くように、そして武者修行型学修により皆さん自身が課題を発見し解決することができる実践力が身に付くような教育システムを用意しています。本学は、ノーベル賞受賞者が教壇に立ち、またオリンピック金メダリストを生むなど幅広い学問分野を有しており、皆さんは多彩な講義・演習や活発な課外活動を通じて、専門分野のみならず幅広い教養を修得することができます。 本学は一昨年に開学50周年を迎えた最も新しい研究型総合大学であると同時に、我が国で最も古い官立の教育機関をルーツに持つ伝統ある大学でもあります。本学はあらゆる面で「開かれた大学」として、国際性と学際性を柱に地球規模の課題の解決と人類社会の発展に向けて、「未来構想大学」というコンセプトのもと歩みを進めています。未来志向で不断の挑戦を続ける学生の精神を尊重します。 国内最大規模の広さと美しさを誇るキャンパスは、東京から45分の近距離でありながら、都会の喧騒とは縁のない場所であり、自由にじっくりと考え、創造力を育て、表現力を養う環境を備えています。周辺には数多くの国際的にも評価のきわめて高い産官の研究機関が集積しており、大学キャンパスにも街にも国際性が日常化しています。本学は学問文化の薫り高い国際都市、つくばサイエンスシティの中核です。皆さんと緑あふれる筑波キャンパスでお会いすることを心から楽しみにしています。 本学は、基礎及び応用諸科学について、国内外の教育・研究機関及び社会との自由、かつ、緊密なる交流連係を深め、学際的な協力の実をあげながら、教育・研究を行い、もって創造的な知性と豊かな人間性を備えた人材を育成するとともに、学術文化の進展に寄与することを目的とする。 従来の大学は、ややもすれば狭い専門領域に閉じこもり、教育・研修の両面にわたって停滞し、固定化を招き、現実の社会からも遊離しがちであった。本学は、この点を反省し、あらゆる意味において、国内的にも国際的にも開かれた大学であることをその基本的性格とする。 そのために本学は、変動する現代社会に不断に対応しつつ、国際性豊 かにして、かつ、多様性と柔軟性とを持った新しい教 育・研究の機能及び運営の組織を開発する。 更に、これらの諸活動を実施する責任ある管理体制を確立する。地球と人類社会の未来創造に向けて1筑波大学の沿革学長メッセージ
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