筑波大学案内 2026
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先輩からのメッセージパンフレット特 徴 純粋数学を学べるだけでなく、情報数学を含む数理科学次まで、数学外書輪講、少人数で行う卒業研究等のセミナーが設けられています。学生自らが学習成果を発表し、教員のきめ細かな指導のもとで、個々の能力が伸ばせ、そして数学的思考能力が身につきます。また情報数学にも配慮されたカリキュラムが用意されています。 1、2年次に学ぶ数学は、3、4年次に学ぶ数学に向けてのウォーミングアップにあたります。1年次の数学の科目は専門科目でなく、専門のための専門基礎科目にあたります。微分積分学、線形代数学、集合論は、いずれも数学のどの分野においても基本的かつ必須なものです。2年次からは、代数、トポロジー、ベクトル解析と幾何、微分方程式、関数論、統計等の入門的授業が始まります。 3年次で学ぶ数学は、専門分野への第1歩となります。大きくわけて代数学、幾何学、解析学、情報数学の4つの分野があり、それぞれの分野で初歩から専門へ向かう授業が準備されています。また、秋学期には、卒業研究の準備として卒業予備研究が始まります。授業や演習に出席するだけでなく自ら専門書を読むなどしてそれぞれが興味を見出し、より理解を深めます。この卒業予備研究を通して数学を学ぶ楽しさと数学の奥深さを実感できます。 3、4年次には、ガロア理論、リー代数、環論、微分幾何学、位相幾何学、確率論、関数解析、複素解析、数理論専門として学べる内容 数学類では各種の講義や演習とともに、2年次から4年理学、数理統計学、計算機数学などに関する専門的な授業があり、純粋数学のみならず情報数学を含む数理科学についても視野が広がるように配慮されています。 4年次には、卒業研究を受講することになります。卒業研究ではセミナーが用意され、学生はそれぞれの研究分野への関心に応じて、幾つかのグループに分かれます。セミナーでは、それぞれの専門分野の数学について、研究発表をしたり指導教員と議論を交えたりします。講義とはまた違った充実感を味わえるものと思います。卒業研究発表会は日頃の成果を示す恰好の場になります。についても広く学ぶことができるので、専門性を深めると同時に、数理科学的視野を身につけることができます。大田 祐治2021年3月 数学類卒業2023年3月 大学院数学学位プログラム 博士前期課程修了沖縄県立高等学校勤務茨城県立高等学校勤務57 小林 萌愛2023年3月 数学類卒業 数学は、多くの学問の基礎となり得る学問です。数学類では講義を中心に、しっかりと数学への理解を深 めることができます。講義でわからなかった所は、40 人という少ない学類の同期と教えあいながら考えることができます。それ でも分からなかった時には、演習の時間や数学手習い塾と呼ばれる場で先 生方や大学院の先輩方に質問をすることができます。このように、相互の教え合いや質問ができる環境が整っているので、私は一つずつ自分の中で消 化しながら学ぶことができました。 筑波大学には、先にあげた数学だけでなく、多種多様な分野の講義を同じキャンパス内で受講することができるという特徴があります。数学類では卒業するための講義はほとんど決まっていましたが、それに加えて様々な分野の講義を私は受講しました。それにより数学類で勉強した内容を他分野で具体的に、どのように活用にしているのかということに学びを得ました。学業以外では学園祭や年に2回のスポーツ・デーなどの行事がありま す。そこでは学生団体や学類の同期、研究室など様々な繋がりで行事を楽しむことができます。一つのキャンパスに多くの学生がいるので、新たな交流や大規模な運営にも携わることができ、実際に私は県人会という100人を超える団体の会長を務める機会がありました。そこでは、高校と異なり先生や学校のようなさらに上の立場の方々がいません。そのため、自分達でやるべきことを考えて実行しなければならないという経験をしました。 筑波大学では自分がやりたいことは自分から行動に移せば、ほとんど実現可能だと思います。そのような筑波大学で、皆さんがよりよい数学ライフを送れることを願っています。(2022年4月に寄稿していただきました。) 私は高校の数学の教員を目指しています。自身が数学がとても苦手だったので、数学が苦手な生徒にも分かりやすい授業ができる先生になりたいと思い、筑波大学の数学類で数学についての知識を深めようと受験を決めました。筑波大学は教員になるためのサポートが手厚く、実際に数学類の多くの学生が教員免許を取得するために教職の授業を履修しています。 とはいえ苦手な数学の世界に飛び込んで、ちゃんとついていくことができるのかとても不安でした。しかし、授業は講義と演習に分かれているので演習問題を解きながら講義内容の理解を深めることができ、先生方の丁寧なご指導のおかげで充実した環境で学ぶことができています。また、「数学手習い塾」という場が週に二回ほど設けられ、先生方や大学院生の先輩方に講義や課題の質問をすることができます。コロナ禍ではありますが、友人たちとともに手習い塾に通ったり休日に集まって勉強会を開いたりと、楽しい大学生活を送っています。大学数学と高校数学の大きな違いは、定義や定理などの事実や証明を一つずつ着実に積み重ねて思考のステップを進めていくことに重きを置いている点だと感じています。論理に飛躍がないよう厳密に議論を進めていくためとても頭を使いますが、最後まで理解できた時や証明を完成させられた時の達成感はひとしおです。様々な分野の話題が繋がって体系的に見えるようになったり、高校までで学んでいた内容でも新たな気づきがあったりもします。私もまだまだ道半ばではありますが、これからさらに数学の知識を身に着けていった先で、一体どんな景色が見えるのかとてもワクワクしています。 大学で学ぶ数学はロマンに溢れています。筑波大学数学類には数学を存分に楽しめる環境も仲間もいます。皆さんと一緒に学べる日を楽しみにしています。(2021年4月に寄稿していただきました。)●数学類ホームページには、教員の紹介やシラバスなども掲載してあります。数学類ホームページ●https://nc.math.tsukuba.ac.jp/college/pp でパンフレットのPDFファイルを見ることができます。

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