筑波大学案内 2026
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教員からのメッセージ専門として学べる内容 応用理工学類の理念は、特定の分野に直結した応用ではなく、理学と工学を広く融合させることで、より複雑化・難題化する社会の要求に“応えて用いる”ことのできる工学力を養成することです。そのために、カリキュラムとして筑波大学の他学類や他大学の理科系学部に比べて多方面の学問にわたる科目が必修となっているのが特長で す。1,2年では自然科学の基礎的な科目として数学、物理 学、化学、生物学とともに、工学への応用のための導入科 目を学びます。1,2年次に十分に基礎力を培い将来の夢や希望がより明確になった時点で次なるステップとして、3 年進級時に4つの主専攻(応用物理、電子・量子、物性工 学、物質・分子工学)に分かれて専門性を高めます(どの ようなことが各主専攻で学べるかの具体例は前ページの 表を参考にしてください)。主専攻に分かれても応用理工 学類の理念である分野融合のもと、固体物理学、量子力学、統計力学、化学、生命科学は重要な共通的科目と位置付け ています。4年進級時にはそれまでの授業主体の学びから、 研究室に配属され本格的に研究活動を始めます。応用理工学類を担当する教員の専門分野は、デバイスや計測技 術の応用開発から基礎的理論、物理から生物、化学分野 と大変幅が広いです。これら教員のもとでの卒業研究を通 して、工学分野での研究・開発に関する基礎を習得します。3,4年次応用物理主専攻専門科目専門コア科目固体物理学1,2年次専門への導入科目基礎科目全学共通科目物質・分子工学主専攻専門科目生命科学電磁気学応用理工化学実験電子・量子工学主専攻専門科目量子力学先端科学・工学概論、分子工学概論など解析学線形代数熱力学化学情報、外国語、体育など物性工学主専攻専門科目専門英語統計力学化学力学応用理工物理学実験69卒業研究数理物質系物質工学域准教授鈴木 義和応用理工学類ホームページ・パンフレット●より詳しい情報は応用理工学類ホームページをご覧ください。 https://www.oyoriko.tsukuba.ac.jp/●パンフレットの閲覧・ダウンロードも学類ホームページから可能です。 また、テレメールによるパンフレット請求もできます。 (p.159 資料請求番号は546340) 最近では、もくもくと黒煙 を吐きながら走るダンプカー やバスを見る機会はめっきり 少なくなった。しかし、一歩 日本から外にでてみるとこの状況は一変する。日本のように整備の行き届いた車が走っているというのは、どちらかといえばまれである。年季の入 った旧式のディーゼル車が大量のモノや人を乗せ、黒煙をまき散らしながら街を行き交う。「… ディーゼル粒子除去フィルターだって? そんなもの見たこともないよ。」 ここで我々材料研究者は考える。「今よりもっと安くて簡単に、いいモノを作ることができれば」、と。理系だからといって研究室にこもっているだけでは答えは出ない。インターネットは便利だけれど、その情報には限りがある。足を使っ て、いろんな人に話を聞き、具体的な解決策を考 えていく。このテーマ設定が研究の醍醐味だ。無 限の組み合わせの中から、化学や物理の知識を総 動員し、新しい材料をイメージしながら、実現可 能なプロセスを描き出していく。さあ、実験だ。 世界のさまざまなところで顕在化している環境やエネルギー問題。「新材料」をひっさげて、問 題解決に挑んでみよう。

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