東京農工大学 工学部 有機材料化学科
4/6
有機材料化学科 研究室紹介有機材料に関して独自性の高いオンリーワンの研究を行っています。毎年、国際的学術雑誌や学会で、学生による研究成果が多数発表されており、研究者としての高い能力を身につけることができます。河合塾編著「わかる!学問 理科系の最先端 大学ランキング」 (2003年)において機能性高分子分野で第1位、基礎高分子科学分野で第4位を獲得しました。米澤 宣行・岡本 昭子 研究室 分子の空間的構造の精密な把握に基づく有機構造材料の開発分子のもつ潜在能力、「構造」と「反応性」、を見極めて有機構造材料の創製につなげる化学。芳香環が特殊な配置で集積した分子の(1)結晶中や溶液中での空間構造の詳細な把握と特徴の系統的整理、(2)生成反応とその関連素反応の挙動の観察、(3)高分子量化、を通した、新しい有機構造材料の骨格分子の開拓。新しい非共平面的に芳香環が集積した分子の例:結晶中(左)と溶液中(右)の構造。溶液中で芳香環部位(赤)は上下に揺動する挙動が観察できる。中野 幸司 研究室 有機合成化学の力を巧みに利用した「ものづくり」有機合成化学を基盤とする有機機能性材料の創製。特に、(1)新しいπ共役化合物の設計・合成、および有機エレクトロニクス材料・有機オプトエレクトロニクス材料としての機能評価と応用、(2)高活性・高選択性の発現を目指した新規重合触媒の開発、およびその触媒をもちいた機能性高分子材料の開発。新しい平面状π共役分子の例(左下:有機電界効果トランジスタ材料としての応用、右下:発光特性)帯刀 陽子 研究室 有機エレクトロニクス材料の合成と機能開拓エレクトロニクスデバイス作製のための新規機能性有機材料の開発。(1)特異な電気・磁気特性を発現する機能性材料の分子設計・合成、(2)機能性材料からなる分子集合体の作製と構造・物性評価、(3)電気・磁気物性などの有機電子デバイス特性の評価。ディスク状分子を用いて作製した発光ゲルとナノファイバー構造尾池 秀章 研究室 巨大分子に「かたち」を与える技術と生体関連分子を組み込む技術有機合成化学的手法による生体内分子の機能性有機材料への変換。環、分岐を含む非直鎖型高分子およびラセンなどの特異的高次構造を有する高分子の設計・合成に基づく機能性ポリマーの開発。小さい分子(アミノ酸)が繋がって、らせん状の高分子をつくる様子。富永 洋一 研究室 イオン伝導性に優れた固体高分子電解質の創製と用途開拓イオンと高分子からなる固体電解質をベースとした機能性高分子の基礎研究、材料開発、および用途開拓。例えば、超臨界流体やメソポーラス型無機化合物によるイオン伝導度の改良、二酸化炭素の有効利用、ポリマー型のリチウムバッテリーや色素増感太陽電池を実現するための基礎的研究。塩(えん)を溶かし、イオンを運ぶ固体ポリマー臼井 博明 研究室 薄膜技術を核にした有機エレクトロニクス開発と省資源・低環境負荷テクノロジーの実現新しい物理蒸着技術を用いて有機材料の薄膜を作り、光・エレクトロニクス応用の材料やデバイスを開発する研究。特に溶媒を用いずに真空中で高分子を合成する、環境負荷が少ない、高性能のナノ製膜技術の実現。有機ELと呼ばれる薄膜型発行素子。中央の明るく光っている部分は、厚さ1ミクロン以下の有機薄膜。尾﨑 弘行 研究室 原子1個の厚さのネットワークを創る有機分子集合体における分子の形、並び方、電子の状態を明らかにして新しい有機・高分子材料の作り方を考える研究。例えば、固体表面に並べた有機分子に起こる特別な反応による極限的に薄いサブナノマテリアル(炭素原子1個の厚さの2次元ポリマー単一シート)の創成。帯状ポリジアセチレン単一層(アトミックサッシ)の走査トンネル顕微鏡像。超高真空下、グラファイトの劈開面で、アルカジイン単分子層の重合反応により生成する。
元のページ