福井大学 VIEW BOOK 2022
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山形 美結 さん物質・生命化学科 4年次福井県立藤島高等学校出身ナノサイズの繊維を操り石油に頼らない新素材をSTUDENT’S VOICE私の研究する「セルロースナノファイバー」は、ナノファイバーの中でも特に細く、太さは2ナノメートルという電子顕微鏡レベルの存在です。細すぎて扱いが非常に難しいものですが、私はこのセルロースナノファイバーを使った材料開発に取り組んでいます。セルロースは木材を構成する繊維で、うまく配向・集積させれば木材以上の強度を持った材料ができると考えています。将来的に、石油由来のプラスチックの代わりにもなり得る材料です。近年、世界中で様々な問題を起こしているプラスチックも、セルロースナノファイバー由来の材料に置き換えれば紙同様に安全に処分できるようになります。また生分解性プラスチックと組み合わせれば完全植物由来の材料になり、石油からの脱却に繋がるかもしれません。ナノサイズの繊維に、世界を変える大きな可能性が秘められています。藤田 聡 准教授専門分野:バイオマテリアル、高分子化学臓器再生やがん治療など次世代の医療を紡ぐナノファイバーPROFESSOR’S VOICE素材の溶液を細いノズルに通し、高電圧をかける方法で生成する極細の繊維・ナノファイバー。私が取り組むのは、このナノファイバーを用いた材料、特にメディカル分野の材料開発です。皮膚や筋肉、神経など、人体はナノサイズの繊維構造の集まりのようなもの。そこで、ナノファイバーで体内を再現した環境を作り、細胞や生体組織の足場となる材料を開発できないかと考えています。また、生成時にノズルを二層にすれば、「芯」と「鞘」のあるナノファイバーをつくることも可能です。ちょうど、ちくわのような構造ですね。芯と鞘とを別の素材で作り分ければ、例えば、抗がん剤などの薬を芯に入れ、繊維素材を鞘に覆ったナノファイバー型新薬の実現も夢ではありません。太さは髪の毛の1/1000という極細の繊維にしかできない新しい治療法が、少しでも患者さんの助けになるよう研究を続けているところです。39UNIVERSITY OF FUKUISchool of Engineering 工学部

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