福井大学 VIEW BOOK 2022
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世界トップレベルの原子力研究開発と人材育成原子力施設が多く立地する福井県の地域性や国際社会のニーズに対応するために、2016年度より「原子力安全工学コース」が工学部機械・システム工学科に設置され、大学院まで一貫した原子力教育研究を実施しています。原子力工学は総合先端工学の分野です。本コースでは、1・2年次に数学や物理学などの基礎科目を総合的に学んだ後、3年次から敦賀キャンパスで原子力の専門科目を学びます。卒業研究および大学院での研究は「原子炉」「プラント」「放射線」の各グループに分かれて実施します。県内の原子力施設を活用し、学外の研究機関と連携した質の高い専門教育を受けることができます。原子力安全工学コースの紹介動画はこちらからご覧ください。42UNIVERSITY OF FUKUI附属国際原子力工学研究所【敦賀キャンパス】■機械・システム工学科 原子力安全工学コース ■大学院工学研究科 安全社会基盤工学専攻(前期)・総合創成工学専攻(後期)STUDENT’S VOICE敦賀キャンパスでの学び福島の原発事故が起きたとき、報道を聞くだけでは実際に何が起きているのか分からず、漠然とした不安を覚えました。福井大学で原子力を専攻し、ようやく不安の実態を理解できるようになったところです。今取り組んでいるのは、核燃料から放出される核分裂生成物の挙動の研究。既存の式は、災害が起きたとき実際の挙動を正しく予想しにくいことが分かっています。燃料と似た物質を扱って生成物の動きを見ながら、より正確に算出する式に改良することが目標です。皆さんの不安が、少しでも払えるような成果を出したいと思っています。原子力の実態を理解し工学の側面から住民の不安を取り除く技術者に藤原 卓真 さん機械・システム工学科原子力安全工学コース 4年次兵庫県立星陵高等学校出身原子力発電の基礎基盤技術である炉物理、炉工学、核燃料、原子炉材料などの分野の研究を行い、既存の軽水炉の安全性、経済性向上や新型炉の実現を目指します。原子炉研究グループ関連分野:原子核工学、材料工学、エネルギー工学設計・製造・運転・保守・廃止という原子力プラントの一生を通じて、安全性を確保するための理論と技術を研究し、性能向上、長寿命化、余寿命診断、事故耐性強化などを目指した技術開発に取り組んでいます。プラント研究グループ関連分野:機械工学、建築・土木工学、環境工学放射線計測機器開発や、原子力防災を中心としたシステム・マネジメントの確立のための調査研究とあわせて、放射線影響研究も行います。放射線研究グループ関連分野:放射線に関する物理学、化学、生物学、計測学、防護学1年次2年次3年次4年次博士前期課程博士後期課程工学部 機械・システム工学科 原子力安全工学コース大学院工学研究科工学の基礎科目原子力工学分野の専門科目卒業研究安全社会基盤工学専攻総合創成工学専攻1年後期よりコース仮配属3年前期よりコース本配属各分野で活躍中の国内外の研究者や先輩、民間企業の方が最先端の講演をします。異分野横断セミナー海外の学生、研究者と気さくに会話できる環境があります。留学生・海外研修生との交流国内外の関連施設・研究所や国際機関で経 験を積むためのプログラムがあります。実習・インターンシップ・留学少人数制教育なので丁寧な研究指導が受けられ、学生間の議論も活発です。グループ報告会、中間発表を通じでプレゼンスキルをアップします。卒業研究

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