福井大学 VIEW BOOK 2023
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教授四谷淳子YOTSUYA Junko医学部看護学科(専門分野:ナーシングテクノロジー)11患者さんのなかには、ベッドの上で食べることから排泄まですべての生活をしなければならない人もいます。その患者さんに多く見られるのは「褥■■■■■瘡」という皮膚損傷です。自分で寝返りができないと、接触している皮膚が圧迫されて、血流が滞り傷ができるのです。看護師や家族がずっと患者さんに付き添って、体勢を変えてあげられれば良いですが、難しいのが現状です。こうした患者さんの苦痛を目の当たりにしたとき、ベッドの環境を変えなければと考えました。学問分野から見る学問分野看護にイノベーションを褥瘡はベッドと体の接触が一番の要因です。まずは、ベッドシーツを改良しようと、繊維企業と協力して、皮膚への摩擦が軽減される編み方や伸縮性、ベッドで体を起こしたときのずれの軽減を試みました。これは、みなさんが想像している看護の姿ではないかもしれません。けれども、現場で看護師が気づいたことがあれば、それに対してケアしたり、応える使命があります。だからこそ看護を広く捉えて、AIなどのテクノロジーも取り入れながら解決していく。目の前の患者さんの気づきから、多くの患者さんへのケアに繋げられる可能性も広がります。これからの看護師は未来の医療現場を変えていけますよ。看護理工学看護師の気づき、それは新しいれは新しい未来を開くカギ

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