福井大学 VIEW BOOK 2023
15/76

教授山本晃司YAMAMOTO Kohji工学部電気電子情報工学科(専門分野:テラヘルツ技術開発)13携帯電話に使われている電波は、電場と磁場が交差しながら空間を伝播する電磁波です。光(可視光や赤外光)も同じ性質を持つ電磁波なのに、呼び方が違うのは、周波数の高さ、低さで区別しているからです。低周波を電波、高周波を光としています。この電波と光の中間の周波数を持つ「テラヘルツ波」は電波を検出する技術や、光の測定技術を用いても扱うことができませんでした。しかし、現在では、大容量の情報を瞬時に無線通信する電磁波として期待され、次世代の通信(6G)の中心的な担い手として、世界で活発に研究が行われています。学問分野から見る学問分野未知の電磁波を開拓する研究室で行ったテラヘルツ波を透過させる実験では、金属で狭い通り道(導波路)をつくり、ターゲットの周波数の電磁波を除くことができました。このように電磁波の透過や除去を自由に行うことができるようになれば、効率良く電磁波を操作するためのフィルターの作成も可能になり、6Gへの応用の道が開かれていきます。テラヘルツ波は長年、未踏領域でしたが、まさにいま、必要とされる電波として利用が現実になりつつあります。未開拓の周波数帯域を探っていく、この分野は好奇心がくすぐられます。電磁波工学6G時代の担い手となる「テラヘルツ波」とは

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る