福井大学 VIEW BOOK 2023
45/76

43放射線は工業、医療、農業そしてエネルギー分野などさまざまな分野で利用されています。放射線に携わる人々の放射線による影響を簡便に評価することは重要です。私はリアルタイムPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を用いて、DNAに生じた損傷を評価する手法について研究しています。リアルタイムPCRは、PCRによるDNA複製過程をもとにして、サンプル内に存在するDNA量(RNA量)を測定する手法です。このような原理から、サンプル内のDNAに放射線照射による損傷があればPCRは阻害され、DNA複製効率から、はじめに存在する未損傷のDNA量を評価できると考えています。現在、放射線照射によるDNA切断を血液で評価するための試験を行っています。研究成果をあげ、将来は放射線生物学や放射線を用いた医療の分野で活躍することを目指しています。工学部山口 雅さん大学院工学研究科 博士前期課程2年福岡久留米工業高等専門学校出身放射線によるDNA損傷を評価する新しい技術を開発して世の中の役に立ちたい

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る