福井大学 VIEW BOOK 2024
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学長 みなさん、こんにちは。大学生時代は、喜びも悩みも数えきれず、結果として自らの「想い」のレベルを鍛える絶好の機会です。その磨き方に迫ってみましょう。例えば、あなたは、君って自分のことしか考えてない、もっと周りの人のこと、社会のことを考えるべきだとよく言われる人ですか? もしそうならば、きっと理想に燃える内なるあなたはまだ外界に出る機会があまりないのでしょう。本来なら自分の理想を心に描くとき、それには周りの人の幸せ、自分が生きる社会への満足度がある程度一体化しており、その中で幸せは感じるものですから。そのような想いを行動に移すにはどうすればいいでしょう。特にいわゆる引っ込み思案の人への秘策は、「やる、やらないで迷ったら行動に移してみよう」です。そのことで自分の積極性が次第に磨かれてゆきます。みなさんの内なる想いの中には、多くの素晴らしい自分が存在しているけれど、それを簡単には自分の外に展開できぬもどかしい自分がいませんか? 行動に移すことで自ら自己発現する喜びを一つひとつ実感してください。ところで、今まで述べたことと、本学の理念「格致によりて人と社会の未来を拓く」との間に共通点を感じないでしょうか。人や社会をターゲットに、その進歩を目指してゆけば、それは結局、自分にとっては内なる未完成の自分が外部に向かって展開し、成長しつながってゆく姿なのだと思います。必要なときには自分の心に向き合いながら、良き大学生活を送ってください。大学生活での心の磨き方本学所蔵の松平春嶽公揮毫による「格致」。出典は、中国の古典『大学』で、「物事の道理や本質を深く追求し、理解して知識や学問を深めうること」を意味します。あらゆることに触れて学ぶ、格物。原理を極める、致知。幕末明治の福井藩を導いた16代藩主松平春嶽(1828-1890)公はこの言葉から学ぶことを「格致」として、心に留めたといいます。ものごとに直接触れてこそ、知を極められる。私たちは先人のように、この地で新しい時代を拓こうと「格致」を掲げ、理念としています。 未来を拓く格 致

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