東京大学 大学案内 2026
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留学経験者の声オックスフォードのコースメンバーと スイスの友人とスイス一周旅ドイツの国際政治サマースクールにていつも勉強していたFirestone Libraryトビタテの仲間とモロッコへ休日にニューヨークへ帰国前にプレゼントを持ってきてくれた友人たちとTHE UNIVERSITY OF TOKYO 2026挑戦と出逢いの一年 ̶ 無限に広がる世界へ「外」が近くなる 交換留学の1年は、瞬く間に過ぎていきます。だからこそ、現地で挑戦したいことを事前に考え、積極的にチャンスを掴みにいく姿勢が何より大切です。 私自身、東京大学が提供する充実した海外渡航プログラムや支援制度に後押しされて、この貴重な体験を得ることができました。主体性さえあれば、誰にでも世界は開かれています。 明確な目的がある人も、これから見つけたいという人も、「留学」を通して得られる学びと出会いの価値に変わりはありません。今こそ、未知の世界へ一歩を踏み出してみてください。自分の世界が無限に広がっていく感覚を、きっと味わえるはずです。そこにある達成感も、時には訪れる挫折も、そのすべてがこの先の人生を支える糧になります。皆さん一人ひとりが、希望と冒険に満ちた、かけがえのない学生生活を送られることを心から願っています。会をしたり、ニューヨークまで行ったのに、何をするでもなく歩きまわったり̶̶あれほど楽しい時間を過ごせるなどとは、留学に行く前には想像もしていませんでした。彼らとは今でも頻繁に連絡を取り合っており、自分の帰国後に日本を訪れてくれる。これからも大切にしていきたい関係です。 留学を通じた学びは枚挙に暇がありませんが、確実に言えるのは、「日本の外」がより近く感じられるようになったこと、そして、各々の文化的背景にかかわらず、互いに互いを尊重することができれば、深い信頼関係を築くことができるという当然の事実を、肌身をもって実感できたことです。ここには書き切れない沢山の思い出を振り返りながら、留学に行ってよかったなと、改めて思います。 私は学部3年の秋から1年間、ドイツ・ミュンヘン大学(LMU)に留学しました。「海外で暮らすことで、自分の常識や人生観を見つめ直したい」「国際関係論が、他国ではどのように学ばれているのか知りたい」̶そんな想いから、留学を決意しました。留学先にドイツを選んだのは、難民問題に関心があり、また大学で学んできたドイツ語を自分の強みにしたいと考えたからです。 現地では政治学科に所属し、国際政治を中心に英語とドイツ語で学びました。現地の学生、世界中から集まった留学生たちと活発な議論を交わす日々。国際的な課題に対して「日本人として自分は何を語れるのか」を自分自身に問いかけ続ける、かけがえのない時間となりました。  世界中から集まった学生たちとの出会いは、物事を異なる視点から見るという経験の連続でもありました。なかでも印象に残っているのは、国際紛争の当事国出身の友人たちとの対話。立場が違えば、同じ出来事も受け止め方がまったく異なることを知り、大きな衝撃を受けました。またある日、政情が不安定な国から来た友人に「政治のことを考えずに済むなんて、日本人は本当に幸せだね」と言われました。日本人の政治への関心の薄さを恥ずかしく感じていた私は、当たり前だと思っていた日常のありがたさに気づかされました。 学業の傍ら、難民支援のボランティア活動にも取り組みました。理想と現実のギャップに葛藤を覚えることもありましたが、「人はなぜ争うのか」「どうすれば和解し、共存できるのか」という、私が将来、人生をかけて向き合っていきたい問いに出会うきっかけにもなりました。  私は2023年9月から12月にかけての一学期間、プリンストン大学の政治学部に留学しました。 逆説的かもしれませんが、留学を決断した一番の理由は、東京大学での生活が快適だったことにあります。東京大学という素晴らしい学習環境で、気心の知れた友人たちに支えられながら学ぶことが、楽しくないはずがありません。でもだからこそ、一旦外に出て、自分を鍛えてみたいとも思うようになったのです。日本語が通じず、文化も異なる環境に「異邦人」として身を置くことで、もっと知的に、あるいは人間的にタフになりたい。そこで様々な人たちと出会い、交流することで、これまで以上に視野を広げ、人間として成長したい。そう思ったのです。 予想通り、留学先のプリンストン大学での生活は大変なものでした。寮生活での苦労はもちろん、授業ではリーディングの量に圧倒され、教授の流暢すぎる英語を聴き取れず、自分の意見を問われてもうまく英語で表現できなかったりと、最初の数週間は正直、かなり苦しかったです。 それでも生活に慣れていくにつれ、ストレスがぐんぐん減っていき、英語も少しずつマシになっていき、そうすると授業の面白さがどんどんと分かってきて、いつの間にか、刺激に満ちた毎日が楽しくて仕方なくなりました。それから、沢山の友人に恵まれたことも、自分にとっての幸運でした。火鍋を食べに郊外の町へ繰り出したり、夜中までアニメ鑑賞教養学部 教養学科 総合社会科学分科 国際関係論コース 4年東京大学 法科大学院既修 2年55堆 美優 あくつ みう浅野 皓生 あさの こうせい

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