東京大学 大学案内 2026
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先輩からのメッセージPROFILE2021年2022年2025年東京大学大学院薬学系研究科博士課程に進学日本学術振興会特別研究員(DC1)東京大学大学院薬学系研究科薬学博士課程修了令和 5 年度東京大学総長大賞受賞現在、Stanford 大学生物学科ポスドク研究員、日本学術振興会海外特別研究員PROFILE2019年2021年2023年2023年2024年東京大学教養学部文科二類入学東京大学経済学部金融学科進学東京大学経済学部金融学科卒業外資系投資銀行入社株式会社 Take Risk 創業、「 北区の刺しゅう屋」の運営開始指導教員の池谷裕二先生 所属していた薬品作用学教室のメンバーブランドの象徴初めて売り上げた日金木犀の刺繍会社のメンバーで花火THE UNIVERSITY OF TOKYO 2026 東京大学大学院で過ごした日々は、私の研究者としての礎を築いただけでなく、生命現象の美しさに触れる貴重な時間でした。博士課程で取り組んだ研究は、ある意味で「不可能」とされていたことへの挑戦でした。 私たちの体には、自分の意志で動かせる部位と、そうでない部位があります。手足を自在に動かすことはできても、心臓や胃腸を好きなタイミングで動かすことはできません。しかし特殊な訓練を積めば、その垣根を跳び越えることができるのではないか̶この問いが私の研究の出発点でした。 私は実験動物ラットにこの訓練をさせる実験パラダイムを構築し、ラットが心拍数を意識的に制御できるようになることを示しました。驚くべきことに、わずか5日間の訓練で約50%もの心拍減少を達成することができたのです。この状態は2週間以上継続し、その間ラットの不安行動は低減し、また赤血球数は血液循環の低下を補うように増加しました。さらにこの実験パラダイムを用いることで、脳から心臓に司令が送られるしくみを明らかにしました。本研究がヒトでも応用可能かを検討し、心拍数の自己調節能力を向上させることで、不安の軽減、メンタルヘルスの向上、アスリートのパフォーマンス向上といった可能性を探っています。 この研究は様々な実験技術を結集することで実現しました。これが可能となったのは、東京大学で出会った尊敬する研究者の皆様のおかげです。自由な研究活動を見守りつつも的確にご指南いただいた先生方や、追い求める真理に対して心ゆ 「東大だからって幸せになれるわけじゃない」 「将来安泰だとは限らない」、、 そんなこと!東大を目指そうか悩んでる君なら!もうなんとなく分かってるはず!東大を志望したのは独自の進振り制度が あるから、、ごにょごにょ、、いいえ!私が目指したのは東大に入ったらなんかかっこいいかなと思ったから!でもそれで、いい!「東大入ったらなんかかっこよくね?」その直感最高。物心ついてまだ十数年だよね!ほぼ赤ちゃん、思い立ったら、まず走る! だけどね、本気で東大を目指して走り出すと、不思議なことが起こる。勉強がしんどいとき、一緒に夜まで残って問題を解いた仲間。模試の判定が悪くて悔しくて泣いた夜、陰で支えてくれた親や先生。その全部が今、宝物だ。 大学受験は実は、ただの通過点ではない。「自分の力でやりきった!」って胸を張れる成功体験を、人生で初めて掴めるかもしれない瞬間なんだ。東大に届くかどうかは結果論。でも、そこを本気で目指す、その過程が 人生を変える。 そしてね、東大に受かった仲間も、惜しくも届かなかった仲間も――今はそれぞれの場所で、誇りを持って、自分の人生を自分で選び、懸命に生きて、輝いている。その姿が、私は一番かっこいいと思う。東大はゴールではなかった。自分の人生のハンドルを自分で握る、スくまで議論した学友、そして東京大学の恵まれた研究環境があったからこそ、このような挑戦的な研究に取り組むことができました。 所属していた薬品作用学教室は、池谷裕二教授が主宰する全国でも有数の大型研究室です。薬学のみならず、物理、生物、情報科学など、多様なバックグラウンドを持つ約50人の学生や研究者が在籍し、複合的な技術やノウハウが凝集されたユニークな研究を展開しています。その原動力は『せっかく脳を持って生まれて来たのだから、ありきたりな脳の使用法に縛られて一生を終えるなんてモッタイない』という信念です。私たちが感じている世界とは何か、脳はどこまで開拓できるのか̶そんな哲学的な問いを胸に、今後も世間の知的好奇心を刺激する研究を続けていきたいと思います。 東京大学で芽生えた好奇心と探究心は、これからも私の研究人生を支える礎となることでしょう。未来の東大生の皆さんにも、この素晴らしい環境で、自分だけの問いを見つけ、探究する喜びを味わってほしいと願っています。タートする場所である。 私はいま、株式会社Take Riskを創業して、世界的なブランドを作っている。大切な仲間と一番ワクワクすることをしている。東大の肩書きなんてもう、関係ない。 でもね、根っこには、大学受験時代に東大を本気で目指し、大切な仲間と走り抜けたあの時間が、しっかりと重なっている。 だから君にも言いたい。ゴチャゴチャ言わずに、まず走る。友人、親、教師。誰かの顔色をうかがう必要もない。「東大、かっこよくね?」。十分だ。Stanford University Postdoc Fellow東京大学大学院 薬学系研究科・薬学博士課程株式会社 Take Risk 代表取締役57吉本 愛 梨 よしもと あいり田中 優輝 たなか ゆうき脳に秘められた可能性に迫るゴチャゴチャ言わない!エンジン全開まず東大!

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