理 科外 国 語自然現象を深く観察し、実物に即して現象の本質を見抜く発見力・洞察力を重視します。自然現象に関する知識の正確さとともに、自然現象を科学的に分析し、深く掘り下げ 、論理的に思考する能力を重 視します。また 、単なる計 算 力を問うのではなく、自然現象を定量的に考察する能力も重視します。求められる自然現象に関する知識は、現行の高等学校学習指導要領の範囲を逸脱することはありませんが、これらを十分に理解・消化し、論理的に組み合わせて活用する能力が求められます。自然現象は複合的な現象なので、一つの分野の特定の知識・技術のみではなく、幅広い分野の知識・技術を統合し総合的に理解する能力を重視します。また、得られた結論を、客観的に説明する科学的な表現力を重視します。 「ことば」は、人間が行うあらゆる知的活動の根幹にあります。とりわけ世界の諸地域の交流が盛んになった現代社会を生きる上では、様々な外国語の仕組みを理解し、適切に運用する能力は大きな助けとなりますし、母語や特定の文化に根ざすものの見方に縛られない柔軟な知性を身につけることができれば、自分の思考や視野の幅を広げることもできます。 東京大学の教育理念においては、外国語教育は教養教育(リベラル・アーツ教育)の中に位置付けられており、本学は複数の外国語による受験に門戸を開いています。具体的には、英語のほか、ドイツ語、フランス語、中国語等による受験が可能です。共通して求める能力は「外国語の総合的な運用能力」、すなわち、外国語を理解し、外国語で表現し、外国語を通じて人と交流するための総合的な力です。 いずれの外国語についても、本学で学ぼうとする皆さんは、高等学校までの教育課程の範囲内で、それぞれの言語の適切な運用に必要とされる知識と表現の仕方を身につけ、総合的に運用することが期待されます。また、そのような言語活動を支える論理的な思考力の養成にも努めてください。外国語による文章の理解や表現、文法的知識を問う問題は言うまでもなく、ときにその言語の背景にある社会・文化への理解を必要とする問題が出題されるのも、そうした努力の成果を見るためです。 ここで、外国語として選択されることの最も多い英語について若干付言します。英語の総合的な運用能力の中心となるのは、英語を理解する力と英語を用いて表現する力、そしてそのふたつを総合的に連動させる力です。1) 英語を理解する力 知的内容のあるやりとりを英語で交わす場においては、英語によって表現された情報や話し手の思考を的確に理解する力が必要不可欠です。文字で表現されたものであれ、音声で表現されたものであれ、英語という言語の仕組みについての知識を用いて、文の構造、文章の流れを把握し、筋道立てて理解しなくてはなりません。 理科は、文系・理系を問わず、自然科学、先端技術が関連する様々な分野において、問題の本質を見つけ、課題解決に導くための考え方の基礎となる教科です。このために、東京大学の学部前期課程(1、2年生)では、理科各類の全学生が物理・化学・生物を必修科目として履修し、理科および文科各類の学生が地学を含めた高度な自然科学の授業科目を履修できるカリキュラムが組まれています。本学を受験する皆さんには 、高 等 学 校で理 科 の 各 科目を広く勉 強し、理科に関する基礎的な力を身につけることを期待しています。このために、入学試験では物理・化学・生物・地学の広範な科目の選択肢から以下の能力を判断するための問題が出題されますので、そのような力を養成する学習を目指してください。1) 自然現象の本質を見抜く力2) 原理に基づいて論理的にかつ柔軟に思考する力3) 自然現象の総合的理解力と表現力THE UNIVERSITY OF TOKYO 202604
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