富山大学 医学部 2019年度学部案内
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21 医学科では,学生時代に医学の全科の基本を学び,卒業の時点で,今後の進路を決めます。したがって,将来何科の医師になるか,あるいは患者さんの治療にあたらない臨床以外の領域へ進むかは,4年生頃から決めればよいでしょう。現在のところ希望した診療科に進めないということはほとんどありませんので,今からそういう心配をする必要はまったくありません。 臨床に進む場合は,まず,卒後直ちに行われる医師国家試験に合格しなければなりません。 臨床医の場合,その後2年間の卒後臨床研修(有給)を経て,一人前の医師になっていきます。本学の場合,入学者の7割程度は県外出身者であり,卒業生の約4割は富山県に残っています。医師は地元の大学との結びつきが大切ですので,将来富山県で仕事をしていきたいと考えている学生は,本学で卒後臨床研修を行なうことが望ましいでしょう。また,本学以外で2年間の卒後臨床研修を行った場合でも,その後,本学に戻ってくることが可能です。 ご存知のように,近年医師の分野別・地域別の偏在が顕著となっており,富山県においても地域における医師不足は大きな問題となっています。さらに高齢化,病気の多様化,医療内容の進歩が続いている現在,まだまだ医師数は不足しているのが現状です。しかし,医師免許を持っただけで経済的安定が得られるものだと思ったり,特定の病院の部長になりたい,院長になりたい,といった考えでは見通しは暗いといってよいでしょう。そもそもはじめからそのように考える人がいるとすれば医師に向かないというべきです。大きな組織での責任ある地位というものは,まわりが見ていて推し上げられる性質のものです。 「新設医学部だから就職するにも関連病院が少ないのではないか…」という不安をもつ学生がいるようです。しかし,富山県下の医療状況は富山に大学附属病院ができてから変りつつあります。県内の主要病院と本学との関係は深まる一方であり,本学出身医師の赴任が次第に多くなっています。そして,県内外からの医師派遣の要請にどの科も応じきれていないのが現状です。 医師は専門性の高い職業であり,開業はもちろん,病院勤務においても,専門家個人としての判断や技能が求められます。そういう意味では個々人の力量が重視されますが,医療チームのメンバーの1人としては当然個人プレーでは困りますし,そこでは社会性・協調性も必要です。また,他の専門医との連携も大変重要なことです。しかし,ここでいう交流は国内でも国外でもほとんどが教育・研究のためであって,診療に関わる交流というのは比較的少ないです。 研究面については,これは卒業後のことになりますが,まずどの専門分野でも,数個の関連学会があり,全国各地で学会が開催されます。また,国内外から一流の研究者がしばしば本学を訪れています。内地留学や外国留学に行く若い研究者も少なくなく,皆さんの実績次第で,国内外のさまざまな人達との交流の可能性が開かれています。 本学の和漢医薬学総合研究所は,世界的にも類をみない研究所であり,外国からの留学生も大勢来ています。これは江戸時代からの伝統を誇る薬の富山,そこに生まれた東京帝大に次いで古い官立の薬学校,それを受け継いだ旧富山大学薬学部に併置されたのが最初であり,昭和53年(1978)に旧富山大学より分離して創設後間もない旧富山医科薬科大学に移され,統合したものです。 和漢薬とは,狭義には中国及び我が国の伝統医学で用いられる薬用天産物を指しますが,研究所においては,合成医薬品の短所を補い得る天然薬物を広く研究対象としています。薬害や難病の問題から,合成医薬品についての反省がおこり,天然薬物に対する関心と期待が高まっていますが,研究所の目的は,このような時代の要請に直接こたえる研究を行うとともに,さらに進んで天然薬物の複雑・精妙な薬理作用の解明を通じて生命科学の本質に関する学理を追求するところにあります。卒業後の進路について。果たして自分の望む科の医師になれますか?Q9富山大学の和漢医薬学総合研究所はどういうところですか?Q12就職状況はどうですか?Q10医師は自由業で,個々の独立性が強いといわれますが,大学間あるいは外国との間にも交流があるように聞いています。その辺の事情を教えてください。Q11
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