富山大学 医学部 2019年度学部案内
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す。そして,自己教育力を育てるために,研究的視点を持って行動し,学習していくことが不可欠です。 まず,大学は,大学設置基準等によって教育や研究の環境(教員,図書,施設など)が一定の基準以上であることを保証されています。そして,教員は研究者,教育者として活動をしています。このような大学という環境において学ぶことによって,日々変化しつづける医療や社会に対応していくことのできる専門職としてのより確かな基礎を身に付けることができると考えます。ただし,これらの環境を十分に活用できるか否かは,そこで学ぶ学生自身の意欲とも大きく関係してきます。 また,本学では,卒業と同時に保健師,看護師の国家試験受験資格を得ることができ,本人の努力(選択)によっては助産師の受験資格を得ることも可能です。これらの幅広い学習により,将来の職業選択の幅も広がり,成長していくことも期待できます。 助産師の教育機関としては,①看護系大学の学士課程の助産学専攻,②看護系大学院修士課程の助産学専攻,③看護系大学・短期大学の助産学専攻科,④専門学校である助産師学校等があります。 本学では,平成14年4月から①の教育課程の中で助産師国家試験受験資格に必要な科目を開講し,助産師教育を行っていますので,4年間の教育の中で助産学を専攻すれば卒業と同時に助産師国家試験受験資格を取得できます。 ②③④については,看護系大学又は専門学校を卒業した後,以下の教育機関に進学し助産学教育を修了すると助産師国家試験受験資格を取得できます。 ・看護系大学院修士課程では2年間 ・看護系大学・短期大学の専攻科や助産師専門学校では1年間 助産師の資格は,①~④のいずれかを卒業又は修了し,助産師国家試験に合格すれば,厚生労働大臣より助産師免許証が授与され,得ることができます。 看護師の仕事は,汚物,便・尿,血液,膿等を扱うために「汚い」仕事だといわれ,また人間の命に関係する性質の仕事であるために,残った仕事を翌日に持ち越すことができず,時間がきても仕事を簡単に打ち切ることができない「きつさ」があります。そして,生命と心のある人間に対応するために,いい加減な言動で立ちふるまえない責任の重い「厳しい」姿勢が求められています。さらに,個々の患者のニーズに対応するために,仕事の「きり」がつけられない等,確かに人間誰もが避けたいことの多い性質を持った職業です。 反面,人間誰もが避けたいことを,あえて職業として受けて立つというその志が尊い故に「貢献度」の高い仕事だと言えます。また,看護では患者を全人的に理解し,その人の健康レベルに最も望ましい生活の仕方を科学的に判断し,高度な知識と技術に支えられた援助を行います。このように資質の高い人格が求められる職業であるために,高い「教育」レベルが要求されます。さらに,今日の高齢化時代においては,国づくりと文化と子孫の繁栄に貢献してきた老人の余生の在り方を考えることは,医師や看護師の役割でもあります。限られた社会資源の中で,健康増進から,持病の回復,在宅での看取りまで,包括的に人々の健康に寄与する「貴重」な存在であることは間違いありません。 看護学科では,短期大学(看護学科)を卒業した方,又は看護系専修学校専門課程(*文部科学大臣の定める基準を満たすものに限る)を修了した方に対し,第3年次への編入学の道を開いています。*文部科学大臣の定める基準を満たすものとは,学校教育法第90条に規定する大学入学資格を有する者に対し,高等学校における教育の基礎の上に,修業年限3年(3年課程),課程の修了に必要な総時間数1,700時間以上の教育を行うもの。23将来,助産師の資格を取得するには,どのような教育を受けなければなりませんか?また,富山大学医学部看護学科では,助産師になるための教育を行っていますか?Q16看護師の仕事の実情はどうですか?Q17第3年次編入学の資格について教えてください。Q18

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