富山大学 都市デザイン学部
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久保田●産業はどうですか?まずは基幹産業のアルミがあります。矢 口●構造材としてのアルミに注目したいですね。久保田●アルミは初期コストが高いためこれまでインフラにはあまり使用されませんでしたが、耐候性に優れているので維持管理コストが低いのが魅力。初期コストを抑えられれば競争力が高まると思います。 李 ●日本はアルミの消費量が多く、実は世界第4位の消費国なのです。富山は今後、アルミの新しい使い道を提案していくべきだと思います。例えば橋梁の構造材とか。富山にはそれを実現できる技術があります。また、アルミはリサイクル率が8割以上。さらに再生に必要な電力量は、ボーキサイトからつくる際に必要な電力量のわずか数%で済みます。資源循環のプロセスに乗せてしまえば、持続可能な社会には非常に有効な素材だと思いますね。久保田●そうですね。他に交通の技術についてはどうでしょうか?阿久井●北陸新幹線の開業で東京との距離は縮まりました。都心部のLRTや路面電車も市民の足として定着しています。しかし、都心以外はクルマ依存なので、もっと多様な交通モードに支えられたフレキシブルな交通システムを考える必要があります。久保田●文化面から捉えるといかがですか? 李 ●水、魚、酒などの富山の食文化はもっと全国に誇るべきですね。川 﨑●立山信仰は県民の皆さんの心に、潜在意識として根づいていると思います。立山があり、自然があって、守られているという…。阿久井●松川や富岩運河などの水資源が豊富ですが、水面を使った人の賑わいを創出したらいいと思います。船に乗るだけではもったいない !矢 口●今、県のデザインセンターが中心となって富山の食文化をお土産にした「幸のこわけ」というプロジェクトをやっていますが、第2弾としてものづくりに焦点を当てた「技のこわけ」が始まりました。富山のものづくりを全国に発信して新たな需要を開拓していくものです。こういう情報発信をもっと増やしていくことも大事なのかなと思います。久保田●ではこれまでの議論を踏まえて、持続可能な都市を構築するためのアイディアを出していきたいと思います。大きな紙を用意しましたので文章やイラストで表現してください。では川﨑先生から発表していただけますか?川 﨑●まずはVR(仮想現実)による自然災害の視覚化。自然災害を映像で追体験することができれば防災意識が変わるのではないかと思います。もう一つは、GIS(地理情報システム)を活用して災害情報をリアルタイムで提供して避難経路の確保などに役立てようというものです。久保田●視覚化というのは矢口先生も提案されていますね。矢 口●私の方は、災害の様子を段階的に見せる場をつくるという案で、防災意識を高めてもらうというものです。例えば川が氾濫する様子を段階的に見せるとか。自然災害を実体験する場をつくるんです。久保田●GISの活用は、阿久井先生も…。阿久井●はい。GISで人口動向を分析し、高齢者が多いエリア、若者が多いエリアそれぞれに合った街づくりを推進しようというものです。居住地や土地利用、地区計画などの情報もGISに入れて情報分析しておけば、災害対策にも活かせそうです。そういった都市のビッグデータを扱うことが可能になってきています。久保田●GISは都市計画のデータベース作成にも、非常時の避難誘導にも活用できるということですね。安 永●地理情報はいいですね。富山ぐらいのスケールならいろんな情報を乗せることができ、それらを有機的につなげて統合できる可能性があると思います。これは東京のような巨大都市では難しいのではないでしょうか。阿久井●そう。他の都市にはないベストなスケール感だと思いますよ。久保田●材料の観点から李先生、いかがですか? 李 ●構造材としてのアルミの可能性を提案していきたいですね。大学と企業が連携してアルミの家づくりとか、橋梁建設に使っていけたらいい。建築土木は使う量が多いから大きな需要が見込めます。また富山の農業をバックアップする取組みとして、天気に左右されない全天候型のアルミドーム農場とか。富山の新しい産業発展の道だと思いますね。久保田●私も「循環型アルミ都市」というワードを書きましたが、アルミを建材利用していくことを考えました。 李 ●富山らしい住文化として発信していけたらいいですね。久保田●では、エネルギーの観点から安永先生、お願いします。安 永●水力、火力、風力をはじめ水素エネルギーや地熱、メタンハイドレートなど多様なエネルギー資源があるので、そうした再生可能なエネルギーを使って自給自足社会を構築していくこと。いわゆるローカル・エネルギーミックスですね。久保田●エネルギーそれぞれは小規模だけど、うまく組合わせて循環型社会をつくっていくということですね。【STEP4】発散思考・アイディア出し持続可能な都市としての富山の可能性を模索材料デザイン工学科畠山 賢彦4構造材としての アルミの可能性。(材料デザイン工学科 李)3エネルギーミックス による自給自足社会。(地球システム科学科 安永)都市デザイン学部 デザイン思考ワークショップ4
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