Ⅰ類「Ambient Intelligence Aアゴラgora」で主体的な学びを実現IoTとAIを活用した新しいアクティブラーニング空間「Ambient Intelligence Agora」は、電気通信大学附属図書館が学内のAI研究拠点である人工知能先端研究センターと共同で開設した学修スペースです。附属図書館内2階にあり、270名以上の収容が可能で、自由に移動できる机や椅子が設置されたオープンな学修スペースや、ソファやクッションが配置され、学生がリラックスしながら学修できる空間などが用意されています。Agora には、液晶ディスプレイをはじめ、テーブルにも投影できる液晶プロジェクターやガラス製ホワイトボードなどの設備が用意されています。利用者は、これらの設備をセミナーやグループでのディスカッション、ブレインストーミング、プレゼンテーションの練習や、授業の合間や授業後の個人での勉学や課題、レポート作成といった様々な場面で活用できます。また、Agora の空間内には、人感センサーや温湿度・照度センサー、CO2 濃度センサー、ネットワークカメラ、指向性マイクといった、各種のセンシングデバイスが多数設置され、個人情報に十分配慮した上で利用者の学修の様子をデータ化しています。得られたデータは、ビッグデータ、人工知能、ロボット、適応学習などの研究への活用が期待されています。アクティブラーニングのために利用者のニーズに合わせたサービス提供を行い、そこから得られる膨大なビッグデータによって汎用AI 研究を推進し、さらに、AI の支援によって学修者の主体的な学びが深められる次世代の教育・イノベーション創出空間を実現することを目指しています。column「工学・技術」を応用し、農業の概念を変える「都市型スマート農業」「都市型スマート農業」は、生産を目的とした農業ではなく、土地の限られた都市での栽培・収穫をエンターテインメントとして提供することを目的とした研究です。ビルの屋上やベランダなどで気軽に設置・管理が可能な水耕栽培を基本とし、そこにIoT技術を活用して、スマートフォンやAIスピーカーなどで生育環境の遠隔モニタや自動制御などを行います。このように、人が土地を耕し、栽培し、管理を行う従来の農業とは大きく異なっています。現在の活動としては、本学の屋上で運用している栽培施設での課外授業やイベントの開催、子ども食堂やレストランへの収穫した作物の提供、小学校や病院、商業施設などでの食育への活用や癒しの空間作りなどを行なっています。自然や生物との共生に向け、広がりを見せている「都市養蜂」へのIoT技術の応用も始めています。コンピュータのように決まった計算では答えを導き出せない、そもそも何を正解とすれば良いのかすら分からない「自然の摂理」を考える経験は、学生たちにとっても有意義なことだと考えています。今後は、本学を卒業された方の企業と事業化を進めており、農業関係の方々とも連携しながら普及を加速していくつもりです。ⅠInnovativeResearch佐藤 証 教授Ⅰ類(情報系)コンピュータサイエンスプログラム26
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