電気通信大学 大学案内 2021
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Ⅲ類根気とやわらかな思考力で世界最先端のプロジェクトに参加Ⅲ類では、機械や物理の基礎から実践、さらには量子力学や化学分野に至るまでの広い範囲を深く学ぶことができます。中でも自分の手を動かす実験はⅢ類ならではのもの。狙ったとおりの結果になった時は、喜びもひとしおです。実際の研究で使われる機器を操作して学べるので、研究室に入った今もスムーズに実験を進めることができています。一方で、周囲の優秀な仲間たちと切磋琢磨して知見を広める楽しさもあります。例えば、プログラミング、CADソフトでの実験用具設計、工具を使った電気回路作成など、専門分野内外のさまざまな技術を身につけられました。私は電子工学プログラムに所属していますが、研究室は光工学プログラムの美濃島研究室を志望しました。先生の先進的な研究に強く心惹かれたからです。私はここで「高精度同期用光コム光源の開発」というテーマに挑戦しています。他研究室とも合同で行う、9年間に渡る大規模な国の研究プロジェクトへの参加です。光コムは1000兆分の1秒という非常に短い時間の光を、精密なものさしとして用いるもの。精度のすぐれた光コムを自分の手で作る光源開発から、知識を固め測定する応用研究までを行っています。最先端の研究が数多く行われ、そのための環境が素晴らしく整っているⅢ類だからこそ、興味を深く追求しながら大きなテーマに取り組めるのだと思います。Ⅲ類の研究には、あきらめない根気強さと、一つの考えにこだわりすぎない柔軟な思考が不可欠です。私自身も3年次まで考えていた分野とは違う研究室にいますが、今までの授業の積み重ねのどれもが活きています。何でも貪欲に学ぶ姿勢が大切なのだと感じます。来年は電通大の大学院に進学し、引き続き研究を行っていきます。今の研究分野を突き詰めながらも広く自由に将来を考えるため、研究者としての生き方をじっくりと学んでいくつもりです。長谷川 達也 さん情報理工学域 Ⅲ類(理工系)電子工学プログラム 4年美濃島薫研究室 所属滋賀県立膳所高等学校 出身ⅢStudent,sVoice電通大では類の選択、専門教育プログラムの選択、研究室の選択、研究テーマの選択と、自分で学びの方向を決める節目があります。その節目までに長谷川さんは、どんなことを考え、どんな選択をしたのか紹介します。長谷川さんの電気通信大学での歩みいざ電通大へ入学前東京にある国立大学であり、入学後に授業を受けた上で自分に合った専攻を選択できる一括入試を行っている電通大を志望しました。大学選択ここだけの学び入学~1年次前学期当初から数学や物理系を希望していたことに加え、希少な実験機器を扱えることに大学ならではの学びを感じてⅢ類を選択しました。類選択昔の夢、今の夢1年次後学期~2年次前学期半導体や基盤など、PCや家電に使われる素子に子どもの頃から興味を持っていたため、電子工学プログラムを選びました。プログラム選択本格的研究へ4年次前学期~現在光コムについて学ぶための努力は大きなものでしたが、研究テーマの奥深さを理解して専門的知識を得る喜びを知ることができました。研究テーマの選択及び研究長谷川さんの3年次後学期の時間割時間割月火水木金土1限目知的財産権2限目画像工学電子工学実験第二光電子材料学半導体光学3限目電子工学実験第二電子デバイス量子エレクトロニクス4限目電子回路学電子工学実験第二Technical English5限目運命の出会い2年次後学期~3年次後学期研究室見学会で、世界の最先端を突き進む研究内容の凄さと先生の熱意に圧倒され、美濃島研究室を目指すことに。「実験」で学んだ機器の操作方法は研究に役立っています。研究室選択39

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