電気通信大学 大学案内 2021
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れていて、助言をいただくなど密な連携ができています。先輩方も親切で、快く相談に乗ってくださいます。小池先生のお人柄に共鳴する学生が、この研究室に惹きつけられるのかもしれません。小池 開発研究は企業との連携が重要なので、アクセス良好な電通大の立地は非常にありがたいです。医療分野の人に向けて専門外の工学機器を的確に解説できるプレゼン能力が求められるので、コミュニケーション力も否応なしに磨かれていく環境です。清水さんにとっても、今後世界を相手に自分の研究成果をアピールするためには、こうした力がおおいに重要になってくると思います。清水 頑張ります。研究室内で研究進捗を発表する順番が3~4週間に一度は回ってきますが、そのためのスライドやレジュメ作成を通じて「相手に自分の研究内容をどう伝えたらより分かりやすいのか」を深く考えるようになり、少しずつですが成長しているように思います。小池 他分野のエキスパートから多くを吸収できる機会に恵まれることは、私たちの研究室ならではの魅力でしょうね。電通大に医学部はありませんが、だからこそ多くの大学と連携がしやすい。常に溢れる好奇心を持って、分野をダイナミックに横断しながら研究してほしいのです。好奇心は研究のモチベーションになりますが、努力と情熱がなければ育たないもの。電通大の学生は素直にコツコツと努力できる強みを持っています。その上で、長い間研究に向き合い実験を重ねる自身の研究については誰にも負けない熱い気持ちを持ってほしい。清水 私自身も、実験で思ったような結果が出ないことは頻繁にあります。そういう時こそ簡単に諦めず研究に食らいついていく精神力が着実に培われますし、この経験と力は、社会に出てからも大いに生きてくると思います。小池 現代の医療は工学がなければ成り立ちません。つまり人を治すための道は医学だけではなく、工学の世界にも大きく広がっているのです。医師は目の前の患者さんを治療しますが、工学的アプローチでは世界中の人々を治せるのだと考えたら、心が「振動」してきませんか。清水悠貴 さん研究室概要情報理工学域 Ⅱ類(融合系)先端ロボティクスプログラム 4年神奈川県 横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校 出身医療と連携した装置を作り出して人の役に立てる喜びがあります振動を計測し解析する研究室。耳鼻咽喉科を中心に国内外医学部と連携し、生体工学の領域から新たな医療機器を開発。コンピュータシミュレーションによる人体の組織構造や機能の解明を目指す。農業分野にも応用研究が活かされている。清水さんが使う耳小骨可動性計測装置。プローブをより耳小骨にアプローチしやすくするために挿入角度を変えた場合の、重力の影響の有無や計測結果の正確さを検証している。大学院生の先輩と共同で行うこの研究は、医療現場はもちろん企業とも連携する注目のプロジェクトだ。キーワード振動・音の計測、生体計測、生体応用、生体シミュレーション、感覚器機能解明、医療機器開発、手術ナビゲーションシステム、バーチャル手術、難聴、骨導補聴器、PVDF フィルム、バイオエンジニアリング、バイオミメティクス振動が世界を癒やす。小池卓二研究室TOP-LEVEL RESEARCH7

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