電気通信大学 大学案内 2022
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45物理工学 プログラム化学生命工学 プログラム化学と生物学を総合的に学び未来型ものづくりを担う人材を育成物理学を体系的に学び、新しい材料やデバイスの創造を目指す物理学を基礎から体系的に幅広く学ぶことで、原子や原子の集団である金属、半導体、誘電体、磁性体などの固体をミクロな視点で理解し、理学的視点と工学的手法を身につけることで、新しい機能を持つ先端材料・素子(デバイス)の創造を目指します。自然界にある優れた生体機能や物質に学び、環境にやさしく、資源の循環や医療の向上に資する「未来型ものづくり」を担う人材を育成します。生体機能をもとにした電子・光・磁気機能材料や医療技術、バイオテクノロジーなどの開発に必要となる、化学と生物学を総合的に幅広く学びます。主な研究テーマ原子物理学原子・分子・光科学原子光学冷却原子気体レーザー物理学ナノ物理工学プラズマ固体物質の相転移固体の核磁気共鳴固体の光物性磁性光物性の理論量子物理学量子情報量子エレクトロニクス量子光学超伝導低温物理学摩擦現象統計物理学非線形光学 など主な研究テーマ計算論的神経科学分子磁性科学バイオイメージング有機ケイ素化学創薬システム工学原子核分析化学運動生理学ナノ材料科学細胞生物学・生理学グリーン化学神経科学ルミネッセンス化学生化学分子分光学分子生物学超分子科学構造生物学計算分子科学生体機能科学超音波化学生物有機化学機能分子科学 などキャリアイメージ電子・電気系研究・技術者(半導体設計、光素子・光デバイス開発)機械設計・技術者(自動車・輸送機器関連、機械・機構設計)化学系研究・技術者(基礎・応用研究、製品開発)キャリアイメージ化学・材料系研究・技術者バイオ系研究・技術者医療関連工学の研究・技術者エネルギー関連研究・技術者情報系研究・技術者技術アドバイザー・コンサルタントたった一個の光子で物質を操る(丹治はるか研究室)ネオバイオ分子の癌関連蛋白質への結合能評価(瀧真清研究室)Video UECVideo UEC情報理工学域10億分の1メートルのナノの世界で起きる摩擦の不思議を明らかにする ナノメートルのサイズでは摩擦が非常に強く働きます。そのため、いわばネバネバとした世界になっており、ナノマシンなどを作ってもうまく動きません。そんなナノの世界からネバネバ(摩擦)の法則を検証し、自由に操ることを目指しています。例えば、摩擦を限りなく小さくする「超潤滑」。炭素原子のボールを同じ炭素原子のシートで挟んだ「C60分子ベアリング」によって実現しました。反対に、摩擦を最大化する研究として、カーボンナノチューブ等を使用し、壁に張り付くヤモリの足の構造を模倣しています。ほかにも、ナノ世界の摩擦の測定や理論にも注力しています。黒鉛の表面で生じる原子レベルの摩擦の測定結果に対して、世界で初めて理論的な解釈を与え、シミュレーションでも再現することができました。2つのナノサイズのシリコン突起を超高圧・超低速でせん断破壊させる実験では、シリコンが水あめのように伸びてちぎれる姿をとらえ、理論で再現してそのメカニズムを解明しています。シリコンは岩石の成分でもあるため、超高圧・超低速での摩擦は、断層やプレートの動きとも類似します。摩擦の研究が地震のメカニズムの解明につながる可能性を包含していると言えるでしょう。また、機械を稼働する際に摩擦によって生じる損失金額は二十兆円弱とも試算されています。摩擦のメカニズムを解明し適切に扱うことを目指すこの研究は、経済・産業界の大きな期待を背負っているのです。Innovative Research Ⅲ佐々木 成朗 教授Ⅲ類(理工系)物理工学プログラムⅢ類(理工系)

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