電気通信大学 大学案内 2022
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56楽力教育ものづくり体験を通して、自立した技術者の育成を目指す楽力(がくりょく)教育は、類や年次を越えたプログラムです。その大きな目的は、エレクトロニクスやロボット、IT関連のものづくり体験を通して、自立した技術者を育成すること。学域生にとっては、講義で学んだことを実践する貴重な場でもあります。このプログラムでは、学生たちは自らアイデアを練り、自分の手でロボットや電子回路、ソフトウェアなどを創作し、ものづくりの楽しさや達成感を体験します。コンテストを見据えて、 ものづくりの独創性を競い合う全体で行う活動と競技種目別のグループで行う活動があります。前者では安全講習、新人講習、および広報活動、社会貢献活動があり、毎年小中学生を対象としたロボットコンテストを主催しています。後者では「NHK大学ロボコン部隊」「バーチャルリアリティ部隊」など、コンテストの種目別に12の部隊があり、各競技特有のロボットやデバイス製作に必要な技術や知識を学びます。高度なイノベーティブ空間で、 社会変革を促す情報システムを創造「高度ICT試作実験公開工房」が正式名称で、大学院生は24時間365日自由に使うことができます(学域生は開放時間のみ)。社会を変えうる画期的な情報システムの開発を目指し、高度なICTを用いたプロトタイプの試作と実験、公開が行われます。フロアにはプレゼンやデモを行う「プレイルーム」、プログラミングやミーティングのための「リビングルーム」、主に試作を行う「キッチン」があり、それぞれの用途に必要な設備が設置されています。プログラミングの腕を磨き、 ソフトウェアの面白さを体験するプログラミングを通して課題解決のための技術を学び、ソフトウェアとしてのものづくりの面白さを体験することを目的とした科目です。通年で開講され、どの類のどの学年でも参加できます。「競技プログラミング」「ゲームのAI開発」「FPGA」「深層学習」「ロボットの制御」など10種類を超える多彩なテーマが提供されており、テーマごとに少人数のチームに分かれて活動します。ハードウェアのものづくりに触れ、 自分だけの作品をつくる「習うより慣れろ」をキーワードに、電子回路の製作を通してエレクトロニクスの基礎力を身につけることを目的としています。通年で開講され、前学期は、受講生全員が1クラスとなって、素子や測定器の使い方、基本的な回路などについて学び、はんだづけや計測器の操作などの基本的な技を磨きます。後学期ではグループに分かれて個別のテーマに取り組みます。電子工学工房ピクトラボ情報工学工房ロボメカ工房楽力教育のプログラムは、電子工学工房、情報工学工房、ロボメカ工房、そしてピクトラボの4つの工房で実施されます。ものづくりの基礎を学んだ上で、自分が主体となって立案、設計、組み立てを行い、成果物の発表プレゼンテーションや学内外のコンテストへも参加するなど、1年間で多くの経験を得ることができます。楽力を磨く4つの工房 楽力教育の「楽」の文字に込められているのは、「自ら楽しみながら学ばなければ、柔軟な応用力のある専門知識や技術は身につかない」という思い。楽力教育では、主体的に興味を持って、人と協働し、楽しみながら知識や技術を修得することを主眼に置いたプログラムが用意されています。楽しいものや好きなものは、自分から始めるし、続けられる。この原理に則って、楽しみながら学び、身につける、そしてそれを実践する場所なのです。 楽力教育には、つくってみたいという意欲さえあれば、製作経験などは問われず、全学年・全領域の学生が参加できます。工房には最先端の部品や工具が揃っていますし、指導教員や先輩から親身なアドバイスを受けることもできます。そんな環境で、試行錯誤したり仲間と協力しあったりしながら、世界でひとつだけの宝物をつくりあげる経験を積む。そこから独創性や主体性、目標達成力やコミュニケーション能力・協調性を養い、その後の飛躍の原動力を育むことも、楽力教育の大きな目的なのです。ものづくりの楽しさこそがイノベーションの原点

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