栄養は人の生命や健康の維持に欠かせない営みであり、食がその根源となります。幸い、わが国は多種多様な食に恵まれており、良しにつけ悪しきにつけ、世界に類を見ないほど自由な食の選択が可能です。一方で、社会経済的な理由や世界的な食糧需要の増加等による国内的・国際的な食・栄養格差も厳然として存在しています。このような環境の下、人々が健康を保持・増進していくためには、食と健康に関する個々人の知識や習慣の獲得と行動およびこれを可能とする食環境の維持や食品の開発、ならびに、健康的な食を容易に選択でき、また、特別に意識しなくても自然に選択されるような社会の形成が欠かせません。これらの課題に取り組むため、多くの食の専門家が地域社会で活躍されています。 新潟県立大学大学院健康栄養学研究科は、このような現場で中核的役割を担うことができる人材を養成することを目的として、令和5年4月に開設されました。本研究科の教育研究は、健康栄養分野、食品開発分野、食と健康の制度・政策分野の3分野を中心に構成され、各分野における高度な専門知識とスキル、科学的根拠に基づく課題分析と改善提案力、データおよび文章を用いて説得力のある説明ができる発信力、関係者と協働で取り組むことができる実践力を備えた食・栄養の管理、食品や栄養機能に関する基礎的・応用的な研究開発、食を通した健康の保持・増進の制度政策の企画立案運用等を担う、高度専門職業人の養成を目指しています。そのため、これから各分野での専門能力を身につけようと考えている新卒者はもちろん、既に現場で専門家として活躍されている社会人の皆さんを歓迎しており、社会人学生も修学しやすいような履修環境を構築しています。食を通じてより良い社会の実現に貢献するため、私達も皆さんと一緒になって学び、考えていきたいと思っています。意欲あふれた皆さんのご入学を、一同、心からお待ちしています。健康栄養学研究科長田邊 直仁大学院棟大学キャンパスに、院生用共同研究室、講義室、大講義室を備えた地上2階建ての大学院棟を設置しています。特に院生用共同研究室は、個々の学生が研究を行えるよう、個人用の机・椅子等共同研究室図書館を備えた専用スペースとし、論文作成、資料収集・分析を行うための環境を整備しています。大学院棟の研究室は24時間利用可能であり、充実した教育・研究の場を設けています。施設紹介3研 究科長挨拶
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