新潟県立大学 2024 GUIDE BOOK
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わたしのお気に入りTakahashi Azusa,国際地域学部高橋 梓 講師◆学生時代の思い出 2年次まで週6コマの韓国語の授業があり、なかなか大変でしたが、韓国語は日本語と文法が似ているので、1年次の終わりにはある程度韓国語での読み書きや会話ができるようになり、喜びを感じました。2年次の夏休みに日韓の大学生の国際討論・交流プログラムに参加したことで韓国人の友人もでき、彼らと互いの文化や社会について話すたびに新たな発見がありました。また、大学時代に韓国語をしっかり学んだことは、現在私が韓国語の文献を読み解いたり、韓国の研究者と交流して自分の考えを深める際にも役立っています。外国語を学ぶことは簡単なことではありませんが、きっと将来の皆さんの世界を広げてくれると思います。◆今の研究に取り組むきっかけ 高校生の頃に、南北首脳会談(2000年6月)のニュースを偶然見ました。その時に、「なぜ日本と近い国が分断してしまったんだろう」という単純な疑問を抱いたのが、私が韓国・朝鮮について関心を持つようになったきっかけです。韓国・朝鮮の歴史について知るには、その地域の言語を学ぶのが一番だと考え、大学で韓国語を専攻しました。韓国語を学ぶ中で、植民地期に朝鮮の人びとがどのような経験をし、何を考えていたかについて興味を持つようになりました。そんな中、図書館で韓国・朝鮮関係の本を読んでいる中で出会ったのが、植民地期のさまざまな朝鮮人の生き様が描かれている朝鮮近代文学作品でした。その後、大学院に進学し、植民地期の朝鮮近代文学の研究を本格的に始めました。博士論文の完成まで長年お世話になった指導教員から、着任のお祝いとして額絵をいただきました。私も恩師のように、学生に寄り添えるような教員になりたいと思っています。◆研究の楽しさ 近代化の過程で生まれたという点で、朝鮮近代文学は日本近代文学と似ています。ですが、朝鮮の近代化は「植民化」の時代でもあったので、朝鮮近代文学を読むことは朝鮮の植民地期の歴史を知ることにつながります。作品をとおして植民地期を生きたさまざまな朝鮮人(知識人、農民、労働者、女性…)の経験に接し、東アジアの歴史への理解を深めることができるというのが、朝鮮近代文学を読むことの面白さだと思います。また、韓国・朝鮮文学というジャンルは、韓国語・朝鮮語で書かれたものにとどまりません。朝鮮半島にルーツを持つ「コリアン・ディアスポラ」作家の文学からは、日本やアメリカ、中国、ロシアなどで生きる彼/彼女らの歴史や思想に触れることができます。[専門分野] 朝鮮近代文学/韓国現代文学/在日朝鮮人文学[担当科目] 韓国語ⅠB・ⅡB/韓国語翻訳法Ⅰ・Ⅱ/韓国語リテラシーⅠ・Ⅱ/韓国言語文化論/ 韓国言語文化演習My Favorite Item額絵27韓国文学をとおして東アジアの歴史への理解を深める教員紹介

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