新潟県立大学 2024 GUIDE BOOK
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わたしのお気に入りSakaguchi Jun,国際経済学部坂口 淳 教授◆学際的に学ぶ楽しさ 空気は人類共有の資源で、誰もが自由に利用できるものです。誰もが自由に利用できるものを経済学の用語では「公共財」と呼びます。公共財は一般的に環境問題を起こしやすい性質があります。 私は工学部出身なので、以前は科学技術を駆使し環境問題に取り組んでいました。地球環境問題は科学技術だけでは解決しにくい性質があるため、経済学の手法を用いた取り組みが全世界で進められています。工学、医学、経済学の研究者たちと分野を超えて討論する機会があります。刺激があり、やりがいを感じます。◆環境と経済の関係 環境問題は私たちの暮らしと産業に直結する問題です。環境問題の解決には生産・輸送・消費といった経済活動の理解が必要です。担当している授業では、環境問題の現状と環境保全を図る様々な手法について学習します。近年、経済活動の中で生じる廃棄物を資源へ再利用するサーキュラーエコノミーが注目されています。省資源、省エネルギーの取り組みを学習することで、現代社会の動きが見えてきます。フローティングペンを集めています。以前は観光地の定番土産でしたが、最近は見かけなくなりました。お気に入りはスウェーデンのヴァーサ号博物館のペンです。◆空気について究める 様々な環境問題の中で、特に大気汚染について長年研究に取り組んでいます。小さい頃から喘息に悩まされているため、空気の質や空気の流れに興味があります。新型コロナウイルスの感染予防では、室内の換気に注意を払い、空気中に漂うウイルス量を減らす対策が求められています。鉄道やバス、住宅、病院の換気について調査しています。感染予防は市民の協力が不可欠です。経済学の理論や手法により、地域の感染制御ができないか研究しています。[略歴] 新潟大学工学部建築学科卒業。新潟大学大学院工学研究科建設学専攻修了、修士(工学)。新潟大学大学院自然科学研究科環境科学専攻修了、博士(工学)。1997年県立新潟女子短期大学生活科学科生活科学専攻講師に着任し、助教授、准教授を経て、2009年新潟県立大学国際地域学部教授。2020年4月より現職。[専門分野] 建築環境学[担当科目] 地域経済創生入門/地域環境学/環境と地域インフラ/地域産業論C(地域インフラ)などMy Favorite Itemフローティングペン55環境問題から現代社会を学ぶ教員紹介

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