新潟県立大学 2024 GUIDE BOOK
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わたしのお気に入り Kamata Isao,ポートフォリオ国際経済学部鎌田 伊佐生 教授◆現実を解明し、現実に活かされている経済学 国際貿易の経済学は、現実を記録したデータの丁寧な観察や解析を通じた新たな事実の発見とその事実の背後にあるメカニズム解明を目指した新たな経済学理論の構築との繰り返しにより発展してきました。また一方で、そうして構築された経済学理論は現実の政策の形成・立案に用いられてもきました。例えば、貿易に関する今日の国際ルールの原則は、国や人々の便益に関する経済学理論のメッセージに基づいて定められています。アメリカでの大学院生時代に就職活動のために買ったのですが、今でも学会や会議の際には必ず持って行きます。◆ 人生を変えた貿易経済学との出会い 私が経済学と国際貿易に出会ったのは、大学卒業後に勤務した政府系機関からの派遣留学で米国の大学院で学んでいたときでした。それまで学校の授業や仕事を通じて見聞していた日本や諸外国の貿易パターンやその変化について、「なぜそうなるのか」というメカニズムを数式やグラフを駆使した精緻だが直観的な理論モデルで次々に解き明かしていく……目の前で展開されるそんな授業から受けた衝撃は今でも忘れられません。その衝撃がその後のキャリアと人生を変えるきっかけとなり、今こうして貿易経済学の研究教育に携わっていることを思うと感慨深いです。[略  歴] 東京大学法学部卒業。博士(Ph.D. (Economics)、米国ミシガン大学大学院)。米国ウィスコンシン大学助教授、神戸大学大学院経済学研究科准教授。2018年4月新潟県立大学国際産業経済研究センター教授。2020年4月より現職。[専門分野] 国際経済学/国際貿易[担当科目]国際経済学入門/国際貿易Ⅰ・Ⅱ/Internationalization of Firmsなど◆ 多面的に学ぶ、実践力を身に付ける グローバル化の急速な進展と深化によって世界経済はますます複雑化しています。国際経済学部では、国際経済コースを設け、国際貿易のほか国際金融、開発経済論、新興国経済論など、グローバル経済を多面的に学び考えるための授業を提供しています。また現実経済の正確な把握に欠かせない情報や統計データの分析能力を身に付けるための実践的なカリキュラムも用意しています。国際経済学を学問として追求したい方、あるいは将来の仕事や実務に活かしたい方、学びの動機は何であれ、高い志と意欲を持って集まった皆さんと出会えるのを楽しみにしています。My Favorite Item57グローバル経済を経済学で捉える教員紹介

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