宇都宮大学広報誌 UUnow 第42号
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● 研究室概要11●UUnow第42号 2017.4.20自然環境に育つ農産物を対象とした圃場機械にはさらなる生産性の向上が、それらを利活用する人々には安全性や快適性の向上が求められています。松井研究室では、農学、機械工学、人間工学、ICT分野の技術を応用した圃場機械の最適化とシステム開発を行っており、幅広い知識と新たな発想で課題を解決できる研究者・技術者の育成を行っています。松井 正実准教授国際学部 途上国経済発展論国際学部 途上国経済発展論 阪本ゼミ教育学部 運動生理学研究室工学部 機械システム工学科 熱流動解析研究室校教育分野 発達心理学 石川隆行 研究室校教育分野 発達心理学 石川隆行 研究室際学部 地域社会論Ⅰ 古村ゼミ際学部 地域社会論Ⅰ 古村ゼミ際学部 地域社会論Ⅰ 古村ゼミ農学部農業環境工学科圃場機械学研究室農学部農業環境工学科 圃場機械学研究室● 教員から●進歩してきたはずの農業機械や農業生産というものは、実は量的に満たしただけであって、農業従事者の安全性や労働負荷の低減など労働環境にまで踏み込んで考えていなかったという状況があります。例えば会社勤めの人のように、勤務時間が決まっていて空調が効いている部屋で働くという環境ではないため、農業従事者はどのくらい作業をこなせるか体力の限界を知っておかないとつい無理をしてしまいます。こうした過酷な労働環境を改善することが持続的な農業の発展につながっていくと思います。農業機械の面から労働環境の改善、生産性の向上に寄与することに、圃場機械を研究することの意味があると考えます。私は農業機械メーカーで働いていた経験がありますので、学生たちがものづくりを通じて社会に貢献するなど、農業環境の改善が農業生産に携わる人や農業生産物の恩恵に与る人に役立っているということを実感できる研究環境づくりを大切にしています。専門分野:農業環境工学、農業情報工学、農業機械学農学研究科農業環境工学専攻修士2年 青柳 悠也● 学生から農業環境工学科4年 石川 美幸●傾斜地の多い中山間地域の農作業の負担を軽減する方策を考えるために、農作業における労働負担評価について研究しました。全身の労働負担を数値的に明らかにするために酸素摂取量に着目し、酸素の消費量を測ることで農作業における労働がどのくらい負担になっているのかを評価する装置、特に農作業中の負担を測れるよう持ち運びのできるコンパクトな装置の開発に取り組みました。研究室で実験を重ねていくうちに、苦手としていた分析・解析をする力がついたと思います。同 修士2年 木村 智之●農業機械メーカーへの就職を希望してこの研究室に入ったのですが、松井先生から研究の面白さを教えていただき4月からは博士課程に進みます。問題に対するアプローチの仕方、物事を理詰めで考える力、また学会発表や論文投稿などを通じて人に伝える力をつけさせていただきました。「研究は楽しく」が先生の口癖で、研究室は家族的な居心地のいい環境がつくられています。博士課程では引き続き転倒事故の原因である機械的要因、傾斜角度などの環境的要因、ヒューマンエラーなどの人的要因についてしっかり研究していきたいと思います。●農作業中の被験者の生体情報、心拍数や筋電位などを取得することで労働負担を評価し、負担の少ない農作業や環境を明らかにする研究に取り組みました。この研究室は農学部の中で物理や数学など工学的な要素が取り入れられ幅広く学べるところが魅力で、生体工学や人間工学的な分野を学ぶことができました。松井先生は着眼点が面白く、興味深いテーマを与えてくれます。他大学の先生からも「おもしろい研究」と評価していただき、やりがいをもって研究を進めることができました。●足回りがタイヤではなく履帯(キャタピラー)で転倒しやすい自脱型コンバインの転倒原因を解明する方法を研究しています。履帯はタイヤに比べてちょっとした段差でもバランスを崩してしまうし、コンバインは収穫にしか使われないのでオペレーターの操作技術が上達しにくいというところで危険性が高い部分があります。新年度から大学院に進んで松井先生のもとで研究を続けます。先生は農業機械メーカーにおられたので作る側の知識が豊富ですし、発想力も豊かなのでとても勉強になります。同 4年 三浦 秦同 4年 大橋 九千翔農業従事者の労働負荷の軽減を研究履帯で転倒しやすいコンバインの姿勢制御を研究農業機械の面から農業環境の改善に寄与● 農業作業事故の中でもトラクターの転倒による人身事故が多発している現状を改善するために、トラクターの姿勢制御について研究しています。自動車の姿勢制御の技術はさまざま開発されていますので、その技術をトラクターに応用できないか、パソコン上でシミュレーションしたりしながら制御技術について考えてきました。毎年他大学との合同ゼミがあり、いろいろな大学の先生や学生の話を聞くことができたことが、とても印象に残っています。4月からは農業機械メーカーで働きます。※学生の学年は取材当時のものです。

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