宇都宮大学広報誌 UUnow 第43号
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■誠意と感謝と熱意を持って実習を受け入れている先生方は「学校っていいな、子どもっていいな、大変だけれど、やりがいのある仕事だな」ということを実習で感じて欲しいと思って指導にあたっています。教育実習は「自分は先生に向いているのか」と自分自身を振り返る場でもありますが、私はだれにでも教師の素質があると思っています。自分の良さを活かした教師になるというモチベーションをどれだけ高められるかが大切ではないでしょうか。いままで何を学んできて、それが実習でどう活かされて、これから何を学び、何をすべきなのかを考えて、教師への道を力強く歩んでいって欲しい。教師の卵でもない学生が卵になる段階が実習なので、技術云々以上に気持ちの面を大事にしたいのです。◇◇◇大きなことに取り組もうとするときは事前準備が大切で、実習はもちろんのこと、社会人たる者は皆そうあるべきだと思います。何をするか前もって調べておき、それに対してどう準備するか。きちんと目標を立てて取り組んでください。一人で悩まずに、いろいろな人に相談しながら協力して準備することも必要です。また体調を整えておくことも事前準備の一つです。体調が優れないと子どもと笑顔で関わろうという気持ちになれません。心身共に万全な体勢で実習を迎えられるように心掛けてください。◇◇◇実習が始まったら誠意と感謝と熱意を持って取り組んで欲しい。実習は教師になるためのステップの一つですが、社会人の資質を身につける場でもあるので、一つひとつのものごとに誠実に取り組み、自分に関わる人たちに感謝の気持ちを持って過ごすこと。なんとしても自分は先生になりたい、なれるかわからないが自分の可能性を確かめてみたいなど、熱い気持ちを持って取り組んで欲しい。わからないことは指導の先生にどんどん聞けばいい。一歩を踏み出す勇気を常に持ちましょう。教育学部を目指す人は、過去のどこかで「先生っていいな」と思ったときがあると思います。その気持ちを思い出して大切にして欲しい。教師は子どもの成長や可能性を近くで感じられる仕事、その魅力を感じて教師を目指して欲しいと思います。UUnow第43号 2017.7.20●8教育学部では、教員になるために必須のカリキュラムとして「教育実習」があります。普段の授業で学んだ知識・理論をベースに実際に教壇に立って児童・生徒を指導する経験は、教職を志望する学生にとって大きなハードルであるとともに、自己を大きく成長させ、一層の教職への意欲・情熱をかきたてられる貴重な経験となります。この特集では、教育実習生の一日をご紹介しながら、教育実習を実際に指導される教育学部の先生からのお話や実習生の体験談も紹介します。教育実習で得られる「学び」とはいったいどのようなものなのでしょうか?Teacher's Voice ~教育実習の現場から~宇大教育学部の教育実習の特徴や、取り組むにあたってのポイント、心構え、アドバイスなどを教育学部で担当している南伸昌先生と、平成28年度まで附属小学校で実習を担当していた浅川邦彦先生に聞きました。もっと知りたい!もっと知りたい! 教育実習教育実習もっと知りたい!教育実習もっと知りたい! 教育実習222■4年間の積み重ねとサポート体制教育学部生は、1年次の「教職入門」で、小中学校で子どもたちと触れあう体験的な活動などを通じて学校現場を見つめ直し、2年次の「教育実習Ⅰ」で、公立学校の先生の見習いとして活動し、学校や子どもに対する理解を深め、3年次の「教育実習Ⅱ」(附属学校)につなげていきます。この積み上げを、4年次の「教育実習Ⅲ」や「教職実践演習」でさらに深め、自分たちの教師としての到達度を確認すると共に、「学び続ける教師」としての新たな課題設定を行います。このように、4年間を通じて教員志向を高めながら、教師としての実力を養っていく流れとなっています。◇◇◇来年度から2年生には、「学校ボランティア」として継続的に学校と関わる機会を設けます。この活動を通じて、学生たちが学校現場に慣れ、理解を深めると共に、学校で働く喜びや自信を感じることをねらいとしています。その上で、3年生の教育実習を前向きに乗り越えて欲しいです。また教育実習も、現在は9月に3週間集中で実施していますが、将来的には前期から附属学校に通って学校や子どもに慣れ、その間に大学や附属学校で教育実習に必要な指導の仕方や子ども対応などを学び、実習に上手く入れるよう、カリキュラムを見直しているところです。◇◇◇宇大の教育実践科目の特徴として全学部的なサポート体制があります。各学年10人の担任がおり、1年生の教職入門では、大学での授業を担当するだけでなく、小学校との日程調整や引率、振り返り指導も行います。また、2年次以降の教育実習等で問題が発生した場合も、担任が実習担当委員と連携してサポートします。他にも、2年生の「教育実習Ⅰ」では30名程度の先生が協力校担当となり、4年生の「教育実習Ⅲ」では40〜50名の先生がそれぞれ2〜3校を担当し、実習校への挨拶や振り返り指導などを行います。「教職実践演習」では他学部も含め30名程度の先生が学生8名程度のグループを担当し、きめ細かい指導を行っています。保健管理センターとも連携し、健康面のサポートも行っています。学部全体で一人ひとりの学生をサポートしていきますので、志のある学生は安心して教員の道を目指して欲しいと思います。【南 伸昌先生】【浅川邦彦先生】
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