宇都宮大学広報誌 UUnow 第44号
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産官学連携で栃木県と新産業創出を見据えた事業化を目指すこのプロジェクトは産官学が密に連携することで、革新的な技術開発や新産業創出を見据えた事業化、人材育成を目指す。プロジェクトのベースになる宇大の独自技術として、ここでは4つの技術を紹介したい。柏嵜勝准教授と宇大発ベンチャーが開発したイチゴ個別包装器『フレシェル®』による「超鮮度維持輸送技術」。果実に触れないことで完熟のまま10日以上の鮮度保持を実現、最も美味しい完熟状態で収穫し海外出荷することを可能にした。「人視感覚カメラによる色解析」の技術は、人間と同じ色域、色感覚のカメラを搭載した観察ロボットを製作し、良品いちごの判定や病気を早期に検出することができる。「磁気ナビゲーション」は環境の変化に強い自律移動技術。ロボットは周辺が変化した場合に位置修整が難しいが、この技術は磁場地図を併用することで位置修整能力が飛躍的に向上。例えば、農場で葉が密集するなど環境が変わっても問題はなく、また人間との共存環境にも強い。「花粉レベルの新品種開発」は、顕微鏡型ロボットを使って花粉を抽出する革新的な技術だ。こうした宇大の強み、独自技術をベースに①地域潜在的ニーズを顕在化・事業化するロボット技術の戦略的開発②地域UUnow第44号 2017.11.20●2のインキュベーション室が設けられ、プロジェクト推進の研究拠点などに利用される。スロープにより屋上までロボットが自律移動ができるようになっていて、花壇が備えられた屋上緑化スペースでロボットによる栽培実験も計画されている。既に完成しているイノベーションファームではイチゴ生産ロボットの稼働試験などが始まっている。観光資源の積極的連携による戦略的地域ツーリズムプランニングシステムの構築③高精度マイクロマニピュレーション技術と人工知能を活用した次世代育種技術の開発④先進的センシング技術とICT技術の融合による新規ビジネス支援システムの開発⑤消費者の感覚や嗜好を評価・予測する感性的品質評価システムの開発―の5つのテーマに取り組む。ユニークな研究環境を提供する拠点施設「REAL」プロジェクトの拠点となる「REAL」は、ユニークな研究環境を提供する。1階の「FabLab」(統合型試作システム)には自動的に溶接できるロボットや3Dプリンタ、レーザーカッターなどが導入される予定。また、栽培室では顕微鏡ロボットを使った品種改良など先端的な農業研究が行われる。このほか、高性能の人工知能サーバーが導入される。2階は、「REAL」の大きな特色となる「テラコヤ」(寺子屋式インキュベーション)のスペースとなる。いろいろな分野の研究者、意欲のある学生が集まって、垣根のない、ごった煮の議論からユニークなアイディアを創出する場となる。10イノベーションファームでロボットの稼働試験を行う学生たち大発の先端技術をベースに融合の地域イノベーションを創出「ロボティクス・技術研究所」の新たな挑戦! ロボティクス・工農技術研究所 Robotics,Engineering and Agriculture-technologyLabo.宇工農工農※今後、実用化に繋がるような課題を増やしていく計画です宇都宮大学発のロボット技術や次世代植物生産技術などの先端技術を核として工農融合の地域イノベーションを創出し、新たな産業を栃木県で起こすことを目指す拠点施設「ロボティクス・工農技術研究所(Robotics,Engineering and Agriculture-tech-nology Labo.)」(略称:REAL)が陽東キャンパスに整備され、来春からプロジェクトが本格的にスタートします。「REAL」の挑戦を紹介します。
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