宇都宮大学広報誌 UUnow 第44号
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UUnow第44号 2017.11.20●8■恩師の熱心な授業で最先端のサイエンスに触れる|はじめに、宇大に入学したきっかけを聞かせてください大学受験を目指していた頃はバイオテクノロジーという言葉があふれていまして、漠然と「バイオをやりたい」という気持ちで農学部を志しました。私は埼玉県の時計屋の息子だったのですが、商店会の方々が「宇都宮大学といえば農学部」みたいな感じで言っていて、そういう知名度も後押しになりました。|大学時代の印象に残る授業や影響を受けた先生はいらっしゃいますか?また学生時代の一番の思い出は何ですか?やはり恩師であり、現在の研究室教授でもある川崎秀樹先生の細胞工学の授業ですね。当時、細胞工学では技術革新が進み、細胞融合の技術など今まで研究室で実現が難しかった技術が一般的にできるようになった時代でした。先生の講義ではこういった最先端の技術、知見をたくさん紹介していただきました。技術が日進月歩で進歩する状況をリアルタイムに紹介していただける非常にエキサイティングな授業でしたね。一通り新しいテクノロジーを説明した後、嬉しそうな表情をして「凄いでしょ?」とおっしゃる時もありましたね(笑)。研究室の配属では迷わず川崎先生の研究室を選びました。思い出としてはやはり卒業研究です。私はカイコという昆虫の体液に含まれる細胞分裂を促す増殖因子を精製する研究をしました。因子というのは目には見えないのですが確かに何かをしている。いま、ウイルスを専門にしていますが、ウイルスも目には見えません。目には見えない小さな因子が、ある興味深い現象をコントロールするというのはとても面白いと思いました。こんな風にお話していると、勉強、研究一筋といったように思われるかもしれませんが、様々な社会経験も積ませていただきました(笑)。勉強、研究も存分にしましたし、すばらしい出会いもたくさんありました。大変充実した宇大での学生生活だったと思います。■偉大な研究者や優れた学生に刺激を受け研究に邁進|研究者・大学教員を志した理由を教えてください私が修士課程に進んだ頃、カリフォルニア大学デービス校助教授(当時)の前田進先生が理化学研究所にも研究室を構えることになりました。前田先生はウイルス学・遺伝子工学などの分野で数々の輝かしい業績を挙げた素晴らしい研究者ですが、川崎先生が前田先生の後輩とい理化学研究所時代。前田進先生(左)と岩永将司先生が宇大生時代最も印象に残った授業は、情熱あふれる川崎秀樹教授の授業でした。先生の教えを受けたいがために研究室の門を叩きます。理化学研究所では川崎教授の先輩でもある偉大な研究者、前田進先生の薫陶を受け昆虫ウイルス研究の道を志すことに。いま、恩師と同じ研究室で日進月歩のサイエンスと格闘の日々です。インタビューで岩永先生は良き師との出会い、そして学生への熱い思いを語りました。「2人の先生に大きな影響を受けた。私自身、学生に良い影響を与えられるよう頑張りたい」(写真:左から岩永将司准教授/インタビュアーの農学部農業経済学科4年 後野仁奈/地域デザイン科学部建築都市デザイン学科2年 速水秀太)PROFILE1996年、宇都宮大学農学部生物生産科学科卒業。98年、同農学研究科修了。2001年、東京大学農学生命科学研究科博士課程修了【博士(農学)】。1999年〜2001年、理化学研究所ジュニアリサーチアソシエイト。01年〜03年、日本学術振興会特別研究員(PD)。03年〜05年、東レ株式会社先端融合研究所。05年〜07年、宇都宮大学農学部生物生産科学科助教授。07年〜13年、同准教授。13年〜現在、同生物資源科学科准教授。専門は昆虫ウイルス学。昆虫ウイルスを用いた物質生産系の開発や、昆虫ウイルスの増殖機構の解明に取り組んでいる。W宇都宮大学農学部生物資源科学科農学研究科生物生産科学専攻応用生物学OB.OG. INTERVIEWMasashi IWANAGA岩永 将司地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科棟地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科棟教員になる夢が叶いま教員になる夢が叶いま答えのない世界に立ち失敗を恐れず挑戦する姿勢が未来を切り開く失敗を恐れず挑戦する姿勢が未来を切り開く研究研究も、も、仕事仕事も、も、人生人生も、も、そのその面白味面白味はは自分自分でで見出見出すものすもの研究研究も、も、仕事仕事も、も、人生人生も、も、そのその面白味面白味はは自分自分でで見出見出すものすもの懐かしい宇大での学生時代のアルバムを見ながら宇都宮大学農学部生物資源科学科農学研究科生物生産科学専攻応用生物学OB.OG. INTERVIEWMasashi IWANAGA岩永 将司コミュニテ地域デザイン科学部コミュニティデザイン学科棟

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