宇都宮大学広報誌 UUnow 第44号
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9●UUnow第44号 2017.11.20◆取材を終えて◆農学部農業経済学科4年 後野仁奈教授や職場との出会い、経験を通じて今現在があるというお話から、残りの学生生活をどのようにして過ごすかを考えるようになりました。同じ農学部でも学科が違うと学ぶことが大きく異なり、研究の話題についていけるか心配でしたが、岩永先生がわかりやすく解説してくださったので、理解することができました。たくさんのお話を聞くことができてよかったです。地域デザイン科学部建築都市デザイン学科2年 速水秀太何となくで選んだ大学や学部学科であっても、教授などとの出会いの中で響き、研究を志すようになる。そのストーリーが対話の中で見え、個人的にとても感動しました。自分にもその変化の可能性があると思うと、出会う人それぞれを大切にしようという気持ちになります。また、お話を伺っている中で、岩永先生もかつて出会った教授と同じように、人に響くような魅力や熱意が受け継がれていると思いました。のような部分もあると思いますし、実験したからといってすぐに結果が出るものでもありません。学生の中には戸惑いを覚えたりする者もいますが、逆に打って変わって水を得た魚のように研究に打ち込む学生もいます。そういう様々な学生の適性を判断して個人個人にあった指導をするというのは難しいことですがとてもやりがいがありますね。私自身がそうであったように、人間はどんどん変わります。指導した学生が着実に研究を進めて大きな成果を生み出し、最終的に学会で優秀発表賞を受賞したり、研究成果を誌上発表したりすると、とても報われた気持ちになります。私自身が川崎先生や前田先生に大きな影響を受けましたので、私自身も良い影響を与えられるよう頑張らねばと思っています。|今後の夢や目標について教えてくださいどんどん優秀な学生を送り出していければと思っています。卒業生が研究を続けてくれれば最高ですが、そうでなくとも、何らかの形で社会に貢献していって彼らの幸せを見つけてほしいと思っています。私自身は、そんな彼らの人生の一部に寄与できればそれが一番の喜びです。私の研究では、もっともっと効率的に組換えタンパク質が製造できるようなシステムを作り出したいと思っています。そうすれば、より安全でより安価なワクチンを提供できたりするわけで、それは大きな社会貢献でもあります。|最後に、大学や宇大生にエールをお願いいたします。緑あふれる大学の雰囲気のおかげなのかわかりませんが、宇大生は温かいし、とっても優しいですよね。研究だけでなく仕事も人生もそうかも前田先生は私が博士課程進学直前に急逝してしまったのですが、非常に影響を受けた偉大な先生です。その後、理化学研究所で昆虫ウイルスの研究をすることになりましたし、前田先生がいなかったら研究者としての今の私はいなかったかもしれませんね。|宇大に戻ることになったのはどのようなきっかけでしたかやはり川崎先生との不思議な縁ですね。一度民間企業に就職して、そこの研究所で大きなプロジェクトに携わったときに若い研究者を指導する機会がありました。久々に人に教える楽しさを感じ、指導する立場もいいなと思っていたときに、偶然、神戸の学会で川崎先生に出会ったのです。先生と近況の話などしているうちに、宇大で教員を公募していることを知り、エントリーさせていただき無事採用となりました。自分が学んだ学び舎で教鞭をとることになり非常に感激しました。■指導学生の人生の一部に寄与できれば、それが最高の喜び|教員生活の中でやりがいや印象に残っていることについて、教えてください学生との関わりがもっとも印象深いです。研究は授業、講義を受けることとは全く性格を異にします。ある意味で職人学生時代から変わらない農学部の看板の前で。今は教員として立つしれませんが、面白味というのは誰かに与えられるものではなくて自分で見出すものだと思います。そしてそういう自分なりの面白味を見出せる人は強いですし、豊かな人生を歩んでいけると思います。これからの社会はいろんな技術が革新されていくでしょうし、研究も日進月歩で進みます。情報に振り回されることもしばしばかと思います。そういう中でも、温かみや優しさを失わない、そんな宇大生でいてほしいなと思います。うこともあってご紹介していただきました。理化学研究所での研究生活は私の人生を大きく変えました。恵まれた設備というのもありましたが、何より優れた研究者の方々、自分より遥かにできる学生がたくさんいて、それは凄い環境でした。また前田先生自身もとてもエネルギッシュな方で、私たちに、週に100時間は実験をしなさいと言っていました。実際、もっとやっていたと思います(笑)。そんな中、ロシア人のポスドク(博士研究員)の方が精製していたタンパク質の構造解析を担当することになりました。その研究員のオーダーは非常に厳しいものであり、構造解析には非常に苦労させられましたが、最終的に新しい核酸結合タンパク質の発見につながり、著名な雑誌に論文として掲載されることになりました。それを受け、ある国際シンポジウムでその研究員が講演した際、私を指差し「今回の研究成果はあそこに座っている彼が完璧な構造解析をしてくれたおかげだ」ということを言っていただきまして、シンポジウムの聴衆から万来の拍手喝采をいただきました。驚いたし、ものすごく嬉しかったですね。ハードな研究生活の中で、こういった喜びを感じられる部分に魅力を感じて徐々に研究者として歩んでいこうと思い始めていました。

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