宇都宮大学広報誌 UUnow 第46号
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UUnow第46号 2018.7.20●2■宇大の社会人ドクター一期生に宇大の大学院にお世話になる直前、私はホンダで研究開発に従事していました。ホンダの四輪開発の総本山は栃木研究所。皆さんのキャンパスのすぐ近くで全世界の研究開発がおこなわれています。当時、私は振動騒音、乗用車の音と振動についての開発をしていました。アクティブノイズコントロール(ANC)という、音で音を消す技術があり、それを車で使えないかという研究をしていました。最先端の研究だったので技術的な困難に阻まれていたところ、1992年に宇都宮大学で博士後期課程が新設されました。通常の課程に加えて、社会人ドクターコースが新設されたこともあり、ホンダに籍を置きながら、ANCの研究過程で生じた課題解決をテーマに大学院生として学ぶことになりました。私が所属することになったのは粕谷・足立研究室でした。当時粕谷英樹先生(本学名誉教授)が教授、足立修一先生(現慶應義塾大学教授)が助教授でした。粕谷先生が音声音響工学の専門家、足立先生が制御工学の専門家で、ANCを深く研究する上で最適な環境でした。当時足立先生は34歳、私は33歳で、足立先生とは1歳しか歳の差がありませんでしたが先生の膨大な知識量には圧倒されましたね。粕谷、足立両先生に支えられ、多くの研究室の学生と研究を進めていくことは本当に大きな刺激になりました。博士後期課程は3年半で無事修了しましたが、その後も宇大とは10年近く共同研究をすることとなります。宇大との共同研究が、ホンダのANCの実用化を下支えしたといっても過言ではないでしょう。■宇大で印象に残っていることやはり優秀な先生方との出会い、粕谷先生、足立先生との出会いが一番ですね。二つ目はキャンパスが静かで研究にふさわしいし、一 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事・航空技術部門長 Hisashi SANO佐野 久JAXAの一室で学生たちのインタビューに応じる佐野さん宇宙航空研究開発機構(JAXA)で最先端の技術研究に携わる佐野久さんを本学工学部の学生取材スタッフが訪ねた。1992年に企業に所属しながら本学大学院博士後期課程で学び、今年4月からJAXA航空技術部門長として活躍中の佐野さんから、宇大大学院在籍時のエピソードや研究開発について、そして技術者としての高い志と熱い思いを伺うことができた。(写真右から佐野 久さん、取材アシスタントの電気電子工学科4年 白石 達也、工学研究科電気電子システム工学専攻博士前期課程2年 林 知史、機械システム工学科2年 石川 剛志/2018.6.1取材)PROFILE1986年、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。同年、本田技研工業株式会社入社。本田技術研究所配属。95年、宇都宮大学大学院博士後期課程生産・情報工学専攻修了。2009年、Honda R&D Americas,IncOhio Center, DivisionDirector(車両実験室部門責任者)。11年、同DivisionDirector(戦略技術企画室部門責任者)。16年、株式会社本田技術研究所上席研究員(兼任)。18年、JAXA理事・航空技術部門長(現職)OB.OG. INTERVIEW宇大生よ、誇りを持て!ー大きな夢を持って挑戦し続けようー
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