宇都宮大学広報誌 UUnow 第46号
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3●UUnow第46号 2018.7.20宇大工学研究科博士後期課程時代の佐野さん。当時の粕谷・足立研究室の栗山村(現日光市)での秋合宿で(1992年10月撮影/写真提供:慶應義塾大学 足立修一教授)人ひとり丁寧に指導してくれるところ。宇大は国立大学なので、研究スペースが広々と使えて、学部4年生の学生にも机があるなど、充実した研究環境は当時から驚きでした。生協にもよく行きましたよ。豚汁うまかったよね(笑)。■継続は力なり長きにわたりANCをテーマとして研究してきましたが、そこで学んだことがあります。それは『継続は力なり』であり、『新しい研究テーマをモノにするには10年はかかる』です。ホンダも業績に恵まれない時期があり、博士後期課程在籍時、私も日常はANCとは無関係の開発業務に専念していましたが、宇大ではANCの研究を「細く長く」進めていました。業績の回復をきっかけとしてANCの研究再開が認められましたが、研究を継続していたことにより、研究を勢いよく再開することができたわけです。そして、『新しい研究テーマをモノにするには10年はかかる』。じる毎日です。航空部門は宇宙部門と比べて皆さんにはあまりなじみがないかもしれませんが、例えば晴天時の乱気流検知技術など、航空分野における身近でかつ素晴らしい成果をたくさん出しています。これらに加えて「静かな超音速機」や「電動航空機」などの世間に「驚き」をもって迎えられるような技術をさらに展開していきたいですね。■宇大生よ、誇りを持て!ー宇大生へのメッセージーまず、宇大は素晴らしい大学です!素晴らしい先生と研究環境があり、その成果は世界に通用します。なので、宇大生には誇りを持ってほしい。まずそれが一つ。二つ目は大きな夢、高い志を持ってほしい。「世界一を目指す!」ぐらいの気概が必要です。そして、その夢に向かって学び続け、挑戦を続けてほしいですね。そして、皆さんのほとんどは何らかの組織に属して活躍することになるでしょう。当然大なり小なり壁に直面することと思います。その時に決してあきらめないでほしい。壁を乗り越えると大きく成長します。もし、挫折しそうなほど大きな壁に直面したら運動して汗を流しましょう。精神的な疲れと肉体的な疲れのバランスを取るとよく眠れます。そしてまた挑戦!皆さんのチャレンジに期待していますよ!本当にそのくらいのスパンで考えていかないと、なかなかモノにはなりません。ANCの研究も私が最初に取り組んだのが1990年。そこから紆余曲折を経て、ホンダの量産車にANCが実装されたのが2000年です。そのあいだ、実装にあたり高価なコストがネックとなりいわゆる「デスバレー」(研究開発における実用化に向けた大きな壁)の状態に陥ったこともありましたが、よりシンプルな技術に着目し、低コスト化を達成しました。あきらめないこともとても大切です。これらのことは、今後企業で研究開発に従事していくであろう後輩の皆さんにメッセージとしてしっかり伝えたいです。■JAXAの理事としてなぜ自分がJAXAに呼ばれたのか、自分でもよくわからないんですが(笑)、この3月までホンダのアメリカの研究所(HondaR&D Americas,Inc)に約10年間駐在していました。業務の中心はリサーチマネジメントで、ホンダの将来のためにどのようなテーマを準備して開発を進めていくのか、要は出口戦略の立案、検討ということになるかと思います。ホンダでのリサーチマネジメントの経験、成果を評価していただきJAXAに呼んでいただいたのではと自分では思っています。JAXAに着任して3カ月、改めてこの組織の「凄さ」を日々感取材を終えて工学研究科電気電子システム工学専攻博士前期課程2年 林 知史今回の取材を終えて、「夢」の大切さとその「夢」に対してどのように「情熱」を注いで行動するかを考えさせられる機会となりました。学生生活並びに今後の人生において、「夢」と「情熱」を抱いて歩みたいです。電気電子工学科4年白石達也佐野さんはとても気さくな方でリラックスした状態でインタビューすることができました。途中、専門分野に関して議論が白熱し、佐野さんの技術者としての魂を感じる場面もありました。佐野さんがおっしゃるように宇大生としての誇りを持って、今回の貴重な経験を今後に生かしていきたいと思います。機械システム工学科2年石川剛志とても気さくな佐野先輩の人柄が印象に残るインタビューでした。母校で印象に残っていることを1つ聞いたところ、優秀な先生との出会い、キャンパスが静か、学食の豚汁(笑)と3つもお答えをいただいたあたり、強い母校への愛を感じました。「夢は何ですか?」と私達に問われたのが非常に印象的でした。
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