宇都宮大学広報誌 UUnow 第46号
4/16

阿山まず一つに、工学部の教育への社会からの要望が変わってきているということがあります。今まではそれぞれの専門分野の追及ということに重きを置いていましたが、急速に社会環境が変化していく今、そういったスタンスでは社会からの多様なニーズに応えることができないということがあります。では具体的にどういった人材が望まれているかというと、専門をきちっと押さえた上で、幅広い工学知識を備えた人材が求められています。一方、宇大の工学部というのは、地域の企業に必要とされる人材を輩出してきて、それが非常に評価されてきました。そこは我々の今までの専門教育が評価されているということですから、そこはしっかり残した上で、現在の社会が要請する幅広い工学的視野の人材を育てる教育体制にしようということで、学科の垣根を取り払うという方向性に軸足を置いて検討を進めてきたわけです。横田4つの専門分野を持つ各学科を統合し、幅広い分野の学びを身につけさせるカリキュラムを具体的に検討する中で、1年次に、「基礎教育ターム」としてしっかりとした工学教育の基礎を学んでもらうことにしました。その上で、2年次以降、分野ごとのコースである専門教育ターム(「物質環境化学コース」、「機械システム工学コース」、「情報電子オプティクスコース」)に分かれて専門性を深く追求するといったカリキュラム構成としました。阿山今回の改組の大きなキーワードとして、「デザイン力」が挙げられます。これからは専門分野の知識をベースとした「新しい価値・サービスの創出、イノベーション」が求められ、そういった新しい価値を「生み出す力」を我々は「デザイン力」と呼んでいます。こういった「デザイン力」を養成することを視野に置きながらカリキュラムの改善検討を進め、「デザイン力養成科目群」もカリキュラム化したところです。宇都宮大学工学部はひとつになります̶全学科を統合し工学部基盤工学科に̶宇都宮大学工学部はひとつになります̶全学科を統合し工学部基盤工学科に̶22世紀をDesignせよ!入江晃亘教授×阿山みよし工学部長×横田和隆教授設置計画書提出中(予定であり、変更する場合があります)宇都宮大学工学部はひとつになります宇都宮大学工学部は、2019年度から、現在の4学科を「工学部基盤工学科」に統合する改組を計画・準備しています。今回の工学部改組について、その目的や、カリキュラムの特徴等について阿山みよし工学部長、横田和隆工学部教授、入江晃亘工学部教授に語っていただいた。Q具体的にはどのようなカリキュラムとなりますか?Q今回の改組の大きな特徴として「デザイン力」がキーワードとして挙げられていますね。Q一方、工学部の持つ「強み」をカリキュラムに活かすという話もあるようですが、具体的にはどの分野を「強み」として重点的に教育されるのですか?Q今回の「基盤工学科」への統合ですが、どのような背景があるのでしょうか。2019年4月

元のページ  ../index.html#4

このブックを見る