宇都宮大学広報誌 UUnow 第47号
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3●UUnow第47号 2018.11.20った人材と社会科学の専門的知識を有する人材の「協働」をカリキュラムの核としています。そして、平成31年4月に開設される新大学院「地域創生科学研究科」では、全学規模の大学院統合というさらに大胆な試みを進めます。本学のすべての学問が、栃木を始めとするさまざまな地域を活性化し、幅広な意味で豊かな社会にするということを共通の目的として、多様な分野の専門知の融合を進め、新たな価値創造によるイノベーションを目指す教育研究システムを構築していきます。同じく平成31年4月に実施する工学部の学科統合(※)も同様です。現代の「ものづくり」の現場においても、各分野の高い専門性を有しつつ、他の工学分野や文系諸分野にいたるまでの幅広い分野の専門家と協働できる能力が求められています。今回の学科統合では各分野の専門知識はもとより、異分野の専門家との協働能力を育むカリキュラム改革を実施します。そして、2019(平成31)年度には、本学は創立70周年を迎えます。宇都宮大学も新制大学として発足以来、常に地域とともにありながら70年の歴史を数えてきました。冒頭でもお話しましたが、学長になってから、常に心配りをしてきたことの一つとして、宇都宮大学は「地域に開かれた大学」でなければならない、ということがあります。今回70周年を迎えるにあたり、この「地域に開かれた大学」の象徴として、現在未整備の状態である大谷石造りの旧図書館書庫を整備し、地域の方々、同窓生の方々、学生、教職員が気楽につどい、会話を楽しめる大学らしいスポットを作りたいと思っています。この旧図書館書庫の周囲には、本学の歴史的シンボルであり、すでに地域の方々に親しまれている峰ヶ丘講堂やフランス式庭園があります。これらを中心とした一帯を「ヒストリカルゾーン」として整備し、様々な方々に本学を一層身近に感じていただければいいですね。 それでは最後に、70周年を迎え、さらに飛躍しようとする宇都宮大学、その飛躍を牽引するリーダー伸ばすことができたのではと思っています。昨今の社会情勢を見るに、単独の学問分野の専門性はもちろん重要ですが、それだけでは現実社会の課題に対応できず、他の学問分野との協働が、全ての領域において必須となってきています。本学では現実の課題に対応できる学問体系を強く意識し、「分野融合」や「文理融合」といった方向に大きく舵を切っています。平成28年4月にスタートした「地域デザイン科学部」は、「まちづくり」の現場で実際に行われている理系の専門的知識・技術を持としての思いや、意気込みをお聞かせいただければと思います。私が何よりも思いとしてあるのは、地域の皆様から大切にされ、多くの優秀な卒業生を輩出してきたこの宇都宮大学を、20年、30年先も生き残っていける大学にしたいということです。宇都宮大学は本当に実力がある大学ですから、その強みや特徴を発揮できるようにしていけば、自ずと社会からの評価は高まり、存在感は上がっていきます。学長就任第1期目には、これまでお話したような先進的な取り組み、改革を、教職員を始めとしたすべての構成員の努力により実現できました。これは今後とも本学が生き残っていくための着実な基礎であると確信しています。これらの取り組み、改革を、全学一体となって実質化していく、確実なものにしていくことが、学長としての私の今の使命だと思っています。学生たちが多く集まるラーニング・コモンズのテラスで意見交換平成28年4月にスタートした「地域デザイン科学部」※これまでの、機械システム工学科、電気電子工学科、応用化学科、情報工学科の4学科から「基盤工学科」になる。

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