宇都宮大学広報誌 UUnow 第45号
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UUnow第45号 2018.4.20●4いた」こと。「何か温度を感じているのかなと思った」という。7年前に宇大に着任し本格的に研究に取り組んだ。「一人で研究を始めたが、研究室に配属されてきた学生が育っていく中で高度な実験ができるようになった。みんなが手分けをして実験をしてくれた。時間はかかったけど、最後はいい形で発表できた」今回の発見は様々な生物の温度感知研究に大きな影響を与えるとともに、寒冷条件における植物の生育改善につながるものと期待されている。「小さなラボから始まった研究だが、今はかなりの人が僕らの研究を認識している。いろいろな国際会議にも招かれるようになった。状況がどんどん変わっていく感じが非常に面白いというか、やりがいを感じる。独自の研究と新しいバイオサイエンスの技術開発によって、誰も見たことのない現象を追っていきたい」児玉豊准教授の研究グループは植物が低温を感じる仕組みを世界で初めて解明した。研究成果は米国科学アカデミー紀要に掲載された。児玉准教授は2008年、光合成を行う細胞小器官「葉緑体」が低温にさらされると細胞の配置を変えることを発見、この現象を「寒冷定位運動」と名付けた。寒冷定位運動は青色光を感知するフォトトロピンと呼ばれる光受容タンパク質によって制御されていることは分かっていたが、今回、フォトトロピンが光だけではなく低温を感知していることを発見した。また、寒冷定位運動が低温下における植物の光合成を最適化していることも明らかにした。研究のきっかけは10年前、「たまたま別の実験に使う植物を冷蔵庫に入れ、翌日顕微鏡を覗くと葉緑体が細胞の中で配置を変えているのに気づ植物が低温を感じる仕組みを世界で初めて解明葉緑体運動による光合成調節センターの概要□研究支援:「ゲノミクス解析」、「バイオリソース」、「動物」、「資源植物」、「アイソトープ」、「生体分子機能解析」部門が設置され、動植物の飼育栽培から遺伝子組換え実験、生体分子の化学的な分析までサポートできる体制が整っている。□地域貢献:地域の小・中学生対象の「科学実験講座」、高校生と高校教員対象の「バイオテクノロジー体験講座」、「グローバルサイエンスキャンパス(iP-U)」や「スーパーサイエンスハイスクール(SSH)」、「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」の支援などを通して、地域のバイオテクノロジー分野の理解推進、人材育成に貢献。また、県試験場や花王など県内企業との共同研究推進、地域イノベーション戦略支援プログラムの実施などにより地域社会に貢献している。□研究推進:学科・学部を越えたネットワーク強化により異分野融合・共同研究を推進し、高水準で特色のある研究を推進している。バイオサイエンスバイオサイエンス教育研究教育研究センターセンター̶若手研究者̶若手研究者のの活動紹介̶活動紹介̶バイオサイエンスバイオサイエンス教育研究教育研究センターセンター̶若手研究者̶若手研究者のの活動紹介̶活動紹介̶Center for BioscienceResearch and Education植物資源科学研究領域児玉 豊准教授■

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