宇都宮大学広報誌 UUnow 第45号
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もともとまちづくり、地域振興などへの関心があり、宇大卒業後は北大の大学院で学びを深め、修了後、行政改革のコンサルタントを東京でしていました。いずれ故郷の東北でまちづくりに携わりたいという思いは持ち続けていたのですが、直接のきっかけは、東日本大震災の時の向学館でのボランティア体験ですね。ボランティアで被災地の実情を知るにつけ、子どもたちの学習環境整備を通して、少しでも東北の後輩たちのために復興に貢献すべきではとの思いが湧いてきました。そしてカタリバでお世話になることになり、女川向学館で子どもたちの教育支援に携わってきました。やりがいですか?我々が向学館で子どもたちに接するとき常に心9●UUnow第45号 2018.4.20スクール事業を展開してきましたが、まだまだ東北には過疎地域など子どもたちに十分な学習支援環境が整備されていない地域があります。この事業の実施を通して得られた子どもたちへの学習支援のカタチ、スタイルを、東北の他の地域にもしっかり還元できるよう、さらに努力していきたいです。|私たち後輩の宇大生へのメッセージをお願いしますとにかく外に出ましょう!(笑)。私が見る限り今の大学生はまだまだアクティブさが足りません!勉強も大切ですが、実社会の中で試行錯誤し、失敗しながら自分のやりたいことを実現していくというプロセスから得るものが非常に大きいと思います。自分にとってはそれがプロレス研究会だったのかな?(笑)プロレス研究会の興行はすべて学生の手で行いました。会場の手配、チケットの営業、販売、様々な局面で自己の行動力や交渉、コミュニケーション力が培われたようにも思います。やることはボランティアでもサークル活動でも何でもいいです!自分の思いを実現させることの苦労の中から何かをつかみ取ってほしいですね。何をしたらいいのかわからない?そういうかたはぜひ女川向学館のインターンにおいでください!様々なチャレンジができる環境でお待ちしています!がけているのは「ナナメの関係と本音の対話」。親でも先生でもない、友達でもない、子どもたちにとっていわば「ナナメ」の関係の先輩として接しています。そういった関わりを通して、子どもたちが前向きに自分の将来を考え、主体的に行動を始める様を見るのは本当にうれしいです。また、被災地の復興に向けた取組みや、地域のよさを子どもたちに伝える企画も実施しました。そういった取組をとおして子どもたちが自分たちの地域に誇りを持てたり、地域のために頑張っていこうと思いを新たにするところも目の当たりにしました。結構子どもたちは強い!と感じる瞬間です。未来のある子どもたちに刺激を受けている毎日でもあります。■宇大生よ、もっとアクティブであれ!|今後の夢、目標について教えてください女川で被災地の子どもたちの学習支援をして5年、いろいろな方々に支援していただきコラボ・学校からスクールバスで向学館に通う子どもたちを玄関で出迎えるスタッフたち学生時代のサークル「プロレス研究会」の試合。右のレフェリー「テッド・ワタナベ」が渡邊さん(2006年の卒業アルバムより)取材を終えて教育学部総合人間形成課程4年山田絢音子どもに何かを押し付けるのではなく子どもを伸ばすために支援をしているという言葉がとても印象に残りました。また、短時間の滞在の間だけでも先生と子どもとの距離の近さを感じることができ、自分もこのような場に身を置けていたらもっと違う今があったのかなと思いました。同4年川崎志織インタビューをさせていただき、地域のつながりの大切さを実感しました。子どもが親にも学校の友人にも話せないような思いを聞いてくれる人がいることが子どもが自信を持っていきいきと成長することにつながると感じました。また私も、社会に出ても仕事だけではなく、外にも目を向けて、自分にできることを積極的にやっていきたいと思いました。教育学部学校教育教員養成課程2年中田美沙季女川の津波の面影がないほどの復興に驚くとともに、その復興がたくさんの人の強い思いでなし得たものであると実感しました。直接地域に携わる仕事、子どもたちとの友達でもない教員でもないナナメの関係になれる仕事、教員とはまた違う立場の仕事を深く知ることができました。またそのことで自分は将来どんな仕事をしてどんなことをしたいのか、具体的に考えることに繋がりました。大学生のうちに社会にチャレンジすることは簡単なことではありませんが、自分なりの一歩を踏み出そうと思いました。■認定NPO法人カタリバは、子どもたちの未来のために、ご寄付やボランティアなどの多くの方の力を借りながら活動をしています。被災地や貧困など様々な困難を抱える子どもたちのために、ぜひ皆さんの力を貸してください。詳しくは、カタリバのホームページ https://www.katariba.or.jpや フリーダイヤル:0120-130-227へお問い合わせください。※学生の学年は取材当時(平成30年1〜3月)のものです。

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