宇都宮大学広報誌 UUnow 第48号
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● 研究室概要11●UUnow第48号 2019.4.20● 教員からモータや発電機とその応用に関する研究を行っています。モータや発電機は電磁気学に基づく構造や材料のみならず、デジタル技術や電子回路等も重要なため、それらを一体とした技術の確立を目指しています。応用として電気自動車や電動車椅子の研究も行っており、学生は振動や車両運動等、専門の枠を超えた分野についても自主的に取り組んでいます。● 学生から専門分野:電動機および応用授業科目:電力工学・電気機器・電動機工学特論後藤博樹准教授●SRモータのセンサレスドライブについて研究をしています。SRモータは温度に強くて頑丈、それに加えて低コストです。しかしセンサをつけると、それ自体によってコストが高くなり、さらに使用温度の制限もしなくてはいけません。よってセンサがない方がSRモータの特徴を活かせるというのがこの研究の趣旨です。より低コストで小型化でき、広い範囲での応用が可能になります。●SRモータを使った電気自動車の研究をしています。元々車が好きで、この研究室を選びました。SRモータはまだ市販されていないモータなので、研究室に入ってから詳しく学び始めました。これからは1充電あたりの走行距離を伸ばすことやモータの独立制御などをメインに研究していきます。ものづくりを重視するこの研究室だからこそ、自分の好きな研究ができています。●SRモータの振動や騒音が大きいというデメリットを軽減する研究をしています。普通のモータに比べて中心に向かう力の変動が大きいので、金属が伸び縮みして騒音が大きくなってしまいます。その伸縮の変動を制限することによって、SRモータの振動と騒音を低減できるような駆動方法を研究しています。この研究室の良いところは、先輩たちと意見交換や相談を気軽にできるところだと思います。●この研究室のメインテーマとしてSRモータと、それを応用した電気自動車についての研究があります。従来のモータでは熱に弱く希少な材料を使用した磁石を用いているのに対し、SRモータは磁石を使用しないため熱に強くコストも低く抑えられます。例えば電気自動車の形態の一つとして、ホイールの中にモータを積むインホイールモータという駆動方式があります。そうすることで車体の構造が簡単になる、タイヤを別々に制御することができる、車軸がないのでより広い角度で曲がることができるなど、様々なメリットがあります。しかしモータが車体の外に設置され過酷な状況にさらされることになり、個数も多く必要になります。そのようなときに従来のモータでは厳しい環境での制御や、優れたコストパフォーマンスを実現するSRモータの活用が見込めます。小型化が可能なモータなので車椅子など、車だけでなく様々なものに応用できます。今後は特に自動運転などのIT技術と組み合わさることによって、より広い範囲でモータの活用が期待されます。  この研究室は今年で立ち上げ3年目で、設備はまだまだ十分ではありませんが、逆に新しいテーマを立ち上げやすい状況にあります。そのため、研究テーマは学生と教員で協議の上、一人ひとりが異なるテーマを自ら考えて取り組みます。自分のテーマの「先輩」がいないため、様々な問題を自力で解決するために、幅広い分野のことを学ぶ必要があります。その経験が、将来社会に出たとき問題解決の「引き出し」になると思います。研究の成果だけでなく、その過程も大事にする研究室でありたいと思っています。●下肢障碍を持つ高齢者が増えていて、車椅子を狭い日本家屋内で使うことは難しいのでオフィスチェア型パーソナルモビリティの研究を始めました。オフィスチェアに多数のSRモータをつけ電動化することが目標です。シミュレーションができるようになり実機をつくろうとしています。構造や回路をどうするかなどを考える必要があってやるべきことは多くあります。テーマを自ら設定できるのがこの研究室の良いところです。電気電子学科4年 祖父江 悠気工学研究科博士前期課程1年 宮本 直樹電気電子学科4年 松本 優基工学研究科博士前期課程1年 宮内 渉国際学部 途上国経済発展国際学部 途上国経済発展論 阪本ゼ教育学部 運動生理学研究工学部 機械システム工学科 熱流動解分野 発達心理学 石川隆行 研究室分野 発達心理学 石川隆行 研究室築都市デザイン学科 環境設備研究室域デザイン科学部学部 応用生命化学科 応用微生物学研究室川上 貴 ゼミ教育学部 算数・数学教育表象文化論ゼミ教育学部後藤研究室後藤研究室 電気電子システム工学専攻電気電子システム工学専攻後藤研究室後藤研究室 電気電子システム工学専攻電気電子システム工学専攻*SRモータ:SwitchedReluctance motor※学生の学年は取材当時のものです。

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