宇都宮大学広報誌 UUnow 第48号
6/16

宇都宮大学は平成17年度に「スクールサポートセンター」を開設するなど、他大学に先駆けて学生を教育現場に派遣する「学生ボランティア」の取り組みを進めてきました。学生は小、中、高校と長く学校生活を送ってきていますが、「教師役」として学校に入ることで初めて見えてくるものがたくさんあります。そういう体験を早い段階からさせてあげたいという思いがあります。また学生の教育現場への派遣は、学校、教員が抱える課題の複雑化、多様化が背景にあります。教師の仕事が膨らんでしまい、本来やるべき仕事にかけるエネルギーが足りなくなっているという現状を踏まえ、学生ボランティアの派遣を求める声が高まっています。支援内容は通常学級の学習支援をはじめ、学校行事、特別支援学級や不登校生徒を受け入れる適応指導教室、放課後活動などの支援です。長期的なボランティアでは、指導案作成と授業実践が中心の短期集中型の教育実習では得られない経験ができます。一人ひとりの子どもたちとじっくり関わることができますので、児童生徒の理解に関しては教育実習以上の効果があるのではないでしょうか。平成30年度は大学の授業として2年生を対象に「教職ボランティ学生から話を聴きますと、「教員という仕事の大変さと楽しさを感じた」という感想が一番多いようです。「『先生、先生』と言って子どもたちが寄って来てくれる」と嬉しそうに話してくれます。学校現場にボランティアに行って、教員としての喜びを知り、さらには自分に教員の適性があることを実感し、教職を目指すことに自信を深める、そこに学生ボランティアの大きな意義があるのではないかと思っています。学生ボランティアには「一歩前に踏み出す勇気がいる」と話す学生がいます。教職を目指す学生さんにはぜひその勇気をもって、ボランティアの世界への一歩を踏み出してもらいたいですね。授業や教育実習だけでは得られない多くのことを学ぶことができるはずです。UUnow第48号 2019.4.20●6教職センター 副センター長松本敏教授「教師役」になって初めて見えてくるもの学生たちは実践的指導力という学校現場でしか得られないものを、この学生ボランティアで学んでいるなと感じています。先生たちがどんなふうに教えていて、子どもたちはどんな様子なのかを知ることができるのが大きいです。実際に教師になってみると、朝からずっと忙しく空き時間も非常に少ないので、他の先生の授業を見ている暇はありません。先生はそれぞれ違った考え方、価値観を持っていますから教え方も皆違うわけです。学生時代にいろいろな先生の授業の仕方、指導の仕方を見られるということだけでも学生には非常に大きな収穫だと思います。教職センターコーディネーター皆川純男客員教授※ア入門」を開設しました。従来、意識の高い学生が中心だったボランティアを体験する学生の層を拡げました。授業としてのボランティアの体験が次の3、4年生時の自主的なボランティアにつながっていくことを期待しています。ボランティアで教員の喜びを知ってください学生ボランティアの案内掲示板(教育学部8A棟内)ー附属農場での実習カリキュラムー 広大なフィールドを   最大限に活用した実学教育ー附属農場での実習カリキュラムー 広大なフィールドを   最大限に活用した実学教育教育現場教育現場をを体験体験し、し、   実践的指導力   実践的指導力をを     身     身につけるためににつけるために宇都宮大学教職センター「学校支援学生ボランティア」の取り組み    教育現場を体験し、   実践的指導力を     身につけるために「学校支援・学生ボランティア」の取り組み/宇都宮大学教職センター※皆川先生は、2019年3月末日をもって本学を退職されました。本記事は、在職時(2019年1月)に取材したものです。

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る