宇都宮大学広報誌 UUnow 第49号
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● 研究室概要13●UUnow第49号2019.11.20● 教員から研究室は峰キャンパスから車で約20分の農学部附属農場(真岡市)にあります。附属農場の広大なフィールドを活用し、現在はトマトやタマネギの品質や生産性を高めるための基礎研究を行っています。園芸作物の栽培試験や生育調査のほか、未解明の現象を解明するために遺伝子レベルの実験も行うなど、様々なアプローチで研究を進めています。● 学生から●圃場での栽培を行いつつ、遺伝子実験もできるというメリットに惹かれ、この研究室を選びました。現在流通しているトマトの祖先にあたる野生種の遺伝子は、果実を高糖度化・大玉化するのですが、そのメカニズムの解明を目的に研究を行っています。栽培が大変で辛い時もありますが、栽培管理を通して学ぶことや気づくことも多く、充実した日々を送っています。今後は大学院に進学する予定で、さらに研究を深めていけたらと思っています。●宇大に入学する前から野菜の研究をしたいと考えていたので、この研究室を選びました。研究室ではトマトを研究材料に、野生種の遺伝子が果実の高糖度化と「尻腐れ」という生理障害を引き起こすメカニズムについて研究しています。宇大では農学部の農場実習などで農作物の栽培について学びますが、種まきから収穫や研究材料のサンプリングまで一貫して行うことはないので、研究室では作物を栽培する能力や観察力が磨かれたと思います。大規模栽培かつ遺伝子の研究もできる、それがこの研究室の大きな魅力です。●研究室の大きな特徴は、附属農場に研究拠点があることです。現在はトマトとタマネギを研究材料に用いていますが、どちらの作物も栽培試験を行うには広い圃場が不可欠です。附属農場には研究に使用可能な広大なフィールドがあるほか、栽培管理を強力にサポートしてくれる技術職員がいます。峰キャンパスから離れているデメリットもありますが、附属農場の恵まれた環境を生かせば、素晴らしい研究成果を生み出せると考えています。研究材料のトマトは、果実植物のモデルとして世界的に研究が進んでいます。競争相手は多いですが、独創的な成果を生み出していきたいと考えています。タマネギについては、世界的に消費量の多い重要な野菜にもかかわらず、研究があまり進んでいません。タマネギの基礎研究を行っている研究室は世界でも非常に少ないので、「タマネギの研究といえば宇大」と世界中の研究者に認めてもらえるような成果を出していきたいですね。研究室の学生には、「種まきから収穫まできちんと栽培できる能力を身につけてほしい」と伝えています。農学部の学生として必ず身につけるべき素養ですし、観察眼や責任感も身につきます。また小さな研究室ですので、学生同士はもちろん技術職員との協力体制や協調性も大切にしています。宇大に着任して3年目、学生と一体となって新しい研究室をつくっている最中です。学生時代は研究室に行くのが楽しみで、特に何もなくても自然と足を運んでいました。そういう研究室にしていきたいですね。●タマネギの可食部の肥大は、日長や気温などが影響するとされていますが、詳細なメカニズムは明らかになっていないため、栽培環境と生育の関係に注目して研究を行っています。そして最終的には、栽培に適した品種や時期、収穫期や収量を予測できる生育モデルをつくることを目指しています。生育調査やサンプリングに時間がかかるなど体力的に辛いこともありますが、粘り強く地道に研究を続けていく力がついたと思います。地域創生科学研究科修士課程1年松本千紘生物資源科学科4年谷田春菜国際学部 途上国経国際学部 途上国経済発展論教育学部 運動生理工学部 機械システム工学科教育分野 発達心理学 石川隆行 研究室教育分野 発達心理学 石川隆行 研究室建築都市デザイン学科 環境設備研究室地域デザイン科学部農学部農学部 附属農場 附属農場 園芸生産技術園芸生産技術学研究室学研究室農学部 農学部 附属農場附属農場 園芸生産技術園芸生産技術学研究室学研究室川上 貴 ゼミ教育学部 算数・数学教育表象文化論ゼミ教育学部後藤研究室 電気電子システム工学専攻後藤研究室 電気電子システム工学専攻農学部 応用生命化学科 応用微生物学研究室生物資源科学科4年須藤美貴池田裕樹 助教専門分野:園芸学授業科目:学部/農学部コア実習、食と生命のフィールド実践演習など:大学院/園芸フィールド生理学、地域創生のための社会デザイン&イノベーションなど

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