宇都宮大学広報誌 UUnow 第49号
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がありました。菅野先生は田原先生のあと学長になられ、法人化によるメリットを伸ばすため、いろいろご苦労もあったかと思います。菅野学長にリーダーシップを持たせたのが法人化です。学内にはリーダーシップを持たせたからといって学長に何ができるのか、というような声もあったと思いますが、結果的には多くの人が学長のやろうとすることをサポートしてくださいました。そのうえで学長は新しいことをやらなければならないという内外からの強い要望がありました。宇大の特徴を出すことが大きな目標で、キヤノン株式会社様から合計10億円のご寄付をいただき、全国唯一のオプティクス教育研究センターを創設したのも、そうした流れの中でできたことです。■評価の高い英語教育の改革石田菅野先生の決断で、今も大きく花開いているものには基盤教UUnow第49号 2019.11.20●6■地域とのつながりを強くする大森まずは田原先生にお伺いします。学長時代を振り返って心に残っていることをお聞かせください。田原私は法人化の前と後を経験した学長です。遠山プラン(※2)が出てきて、大学の統合や国立大学法人化という話題が出た頃に学長になりました。法人化という大学の仕組みを変える大仕事の中で、大学独自の特徴を出すには宇都宮大学のスタンスをどうするか、という大きな問題がありました。私自身これからは地域から支持されない大学は生き残れないと感じていましたので、地域との関係をいかに強くしていくかということが大きな課題と考え、いろいろな仕組みをつくりました。それなりに地域とのつながりは強くなってきたと思っています。地域との連携は今でこそ当たり前ですが当時の大学は「国立大学」の意識が強かったと思います。それから法人化という初めての経験の中、できるかどうかは別にしてやってみたいことはいろいろ考え試してみようと、思い切ったこともやってきました。うまくいったものもあれば途中で挫折したものもあります。今と比べて法人化直後はある意味では自由度があったなという印象です。大森法人化の大きなうねりの中で改革を進めてこられたという話宇都宮大学は今年、創立70周年を迎えました。人間で言えば古希にあたる節目の年であり、これまでの来し方を振り返り、それを未来につないでいくことはとても重要だと思っています。この70年の歴史を振り返ってみますと、最大の変化は平成16年の国立大学の法人化(※1)であり、日本の大学の歴史の中で大きな転換点の一つだったと思います。今日は、国立大学法人に移行する時、そうして法人化以降のあらたな大学の姿を模索する中でリーダーシップをとっていただいた3人の学長においでいただいております。ぜひともそれぞれのステージで経験されたことを伝えていただくと共に、宇都宮大学の今後についてご提言をいただき、そのバトンを次につないでいきたいと考えています。(石田朋靖学長の座談会冒頭の言葉)平成16年の国立大学法人化という大きな転換点で、宇大が進むべき道を模索※1 国立大学法人化:各国立大学の個性を生かして優れた教育や特色ある研究を進めやすくするため、平成16年に国立大学は文部科学省の内部組織から個別の国立大学法人となった。それにより、従来のボトムアップ型の大学運営から、学長を中心としたトップダウン型の経営組織に転換された。第17代学長菅 野 長右エ門KANNOCHOEMON第18-19代学長進 村 武 男SHINMURATAKEO第20-21代学長石 田 朋靖ISHIDATOMOYASU創立70周年記念リーダーが語るターニングポイント2222田原博人/教育学部教授、附属図書館長、教育学部長等を経て、学長就任(在任期間:平成17年12月〜平成21年3月))(在任期間:平成21年4月〜平成27年3月)(在任期間:平成27年4月〜現在)

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