宇都宮大学広報誌 UUnow 第49号
7/16

7●UUnow第49号2019.11.20育(全学部学生が受講する)における英語改革もあります。最近よく言われる英語の4技能の育成を目指し、将来を見据えた改革を実行しました。今、受験生から宇大受験を決めた理由は「英語教育がしっかりしているから」という声も多く聞かれます。菅野学長になって学外の会合に参加すると大学の教育がしっかりしているかどうかは英語教育で決まるというのです。それでコミュニケーションのできる英語教育に力を入れました。他の大学の学長から「非常に画期的なことをやりましたね」とお褒めいただきました。基盤教育の英語の授業では、欧米の大学でTESOL(英語を母語としない人への英語教授法)を専攻した教員たちが生きた英語を教え、DVDラボ、リーディングラボ、シアターなど、学生が主体的に英語を学ぶ環境を整備しました。いろいろ改革を進めたことを文部科学省も高く評価してくれたようです。進村菅野先生が立ち上げられた英語教育は、その後学会で賞をもらったり、他大学から多くの視察が来たりと、注目される教育になりました。■異分野融合で新しいテーマを展開。その延長線上に地域デザイン科学部を創設大森田原先生、菅野先生が学長としてかなり大変な思いをされて、そのあとを継いだ進村先生、どうでしたか。進村菅野先生が言われたように学長のリーダーシップが謳われ始めて、どんどん改革を進めている大学もありました。それがとてもプレッシャーだったことが思い出されます。大森進村先生は工学部のご出身ということで、大学と地域の機能を結び付けることに取り組まれました。田原僕が学長のときに産官学の連携を中心になって働いてくれたたのが進村先生でした。進村地域共生研究開発センター長のときから進めてきたのが異分野連携という世界です。連携というより融合ですね。ある分野と別の異なる分野が結合して今までにない新しいものをつくりだしていく。従来遠い関係にあった分野、例えば「工」と「農」を結合して新しい分野をつくるということが、宇都宮大学の特長であってよいのではないかと考えました。しかもこれを地域で行う。その延長線上に、平成28年に新設した地域デザイン科学部が形づくられたものと認識しています。宇都宮大学の一つの姿は分野の異なるものとの新しい連携、言い換えれば「新結合」によって次の世代に求められる新しい何かをつくり出すこと。そういう教育・研究環境をつくり出し、その環境の中で学生が新しいテーマを展開する。そして、地域に貢献していくというイメージはずっと持っていました。■改革の取り組みがどう結実しているかが、今問われている大森歴代学長先生から貴重なお話がありましたが、それを受けて石田学長いかがですか。石田今ある宇都宮大学が先生方の時代と社会の要請を踏まえた施策と、全ての構成員の努力の連続の中で形づくられてきたと非常に強く感じました。法人化ということで言えば、田原先生あるいは菅野先生の第一期中期目標(※3)期間は、法人化という環境に大学が慣れる期間、文部科学省も試作と現実の齟齬をうずめていく期間だったと思います。それが進村先生、そうして私が引き継いだ第二期中期目標期間になると、ひとつの法人としてそれぞれの大学が自らの特徴を活かし、社会のために何ができるか、目標をつくらせ具体的な形にしていくことが求められ始めた期間でした。そして、現在の第三期中期目標期間では目標がどういう形で結実しているのかが問われています。ここまでを振り返ってみますと、まさに田原先生がおっしゃった地※2 遠山プラン:平成13年6月に遠山文部科学大臣(当時)が経済財政諮問会議に提出した「大学(国立大学)の構造改革の方針」。国立大学の再編統合、国立大学の法人化と民間的経営手法の導入、第三者評価による競争原理の導入、世界最高水準の大学づくり「トップ30」構想を柱とする。進行役地域デザイン科学部教授第16代学長大 森 玲 子OMORIREIKO田 原 博 人TABARAHIROTO歴代学長座談会菅野長右ェ門/農学部教授、農学部長等を経て、学長就任※3 中期目標:法人化後、各国立大学は6年毎に教育・研究等の目標を定め、毎年その目標を達成するための計画を実行し、実績を評価される。第1期は平成16年度から平成21年度。(在任期間:平成13年12月〜平成17年11月)

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る