宇都宮大学広報誌 UUnow 第49号
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9●UUnow第49号2019.11.20うですか」とメールで聞いてみました。すると「アメリカでは過去の経歴などは全く関係なく、今自分がどう取り組んでいるのかを学生と同僚が見ていますし、今後自分がどのように進もうとしているのかが重要です。宇大の学生時代にその基本精神(哲学)を教えていただき、とても感謝しています」という答えが返ってきました。宇大は世界に通用する人材を育てているということだと思います。菅野学生を教育する大学として、そう評価していただけることは大変喜ばしいことです。そうした宇大の教育が本当に学生に伝わっているかどうかですね。いいことはいいと上手に伝えていただきたいですね。◇◇◇■魅力ある大学院をつくることが国立大学の使命の一つ大森これからの宇都宮大学への期待などを伺いたいと思います。進村今は文系理系融合で世の中が流れていますので、宇都宮大学は結果的に時代の変化を敏感に感じとって対応してきたと思います。既に進行中の異分野の融合から日本・世界に先駆けた新しい分野の研究や教育・学術をつくりだしてほしいと期待しています。菅野大学院を学生たちがどう見ているのか。学部を卒業した後に、更に深く学んでいくことに対して、学生はどう考えているのでしょうか。大森本年度から大学院を一研究科にして文系理系を融合させたような教育が始まり、学生の意識も変わってきているように感じます。田原いかに大学院を強化・運営していくのか、すべての国立大学が頭を悩ませているテーマだと思いますが、日本のこれからを考えると、国立大学は魅力ある大学院をどのようにつくっていくか、腰を据えて考えなくてはいけないと思います。■学生と社会人が共に学び合う場田原学生自身が宇大に入って伸びたと実感できて、自信をもって卒業できる、そういう教育が必要ではないでしょうか。それからもっと社会人に教育へ参加してもらうことが必要ではないかと考えます。ぜひ社会人入学あるいは社会人と学生が一緒に膝を交えて学ぶことを強力に進めてほしいと思います。大学の授業を広く市民に開放する「UUカレッジ」が始まって人気があるようですが、特にアクティブラーニングの授業で社会人と学生とがそれぞれのものの考え方を知り、お互いが刺激し合うことができる学びの場にしていただきたい。社会人にとっても満足できるものになり、学生も社会人と触れ合うことで社会を知り成長できる、相乗効果があります。それからSDGsに関してですが、SDGsには文系が先頭に立つ分野が多くあります。宇大がSDGsの取り組みで評価されているのであれば、文系の先生こそ前面に立って取り組んでいただきたい。将来を考えると文系がいかに大切かということは、産業界も感じ始めています。そのほか留学生と日本人学生との連携・融合なども大切だと思います。派手ではないけれど地道なことをやっていけば、新しい芽が出てくると思います。■学生が自らの成長を実感できる教育大森そろそろ時間になりましたので、最後に石田先生から。石田今後の宇都宮大学の姿において、私たちが考えていることを後押ししてくださるようなお話でしたので、この場を設けて本当によかったと思います。宇都宮大学は教員総数約340人、学生は大学院生まで含めて約4800人というコンパクトな総合大学です。社会が複雑化しあらゆる場面で分野を超えた融合が求められる時代になってくると、コンパクトなことがスケールメリットだと思っています。その一つは、顔が見える距離感の中で連携ができるということ。そういった環境が日常的にあることが宇都宮大学の特徴でもあります。それは研究におけるイノベーションにも当然つながっていくわけですし、教育の面でも幅広な教育ができる。学生が宇大に来て何を自分で手にしたかということが実感できる、宇大に来てよかったと意識してもらえるようにすることは教育機関として重要です。肩の力を抜きながら、未来の社会に向けた大学の役目を着実に果たしていきたいと思います。どうか今後とも応援よろしくお願いします。工農連携イノベーションファーム内のイチゴ収穫ロボット石田朋靖/農学部教授、農学部長等を経て、学長就任

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